私は候補者を選考する際、次の5つの点に着目している。
1. 成功を収めた実績
前職や前々職での昇進履歴も考慮してはいるものの、昇進した人を探しているわけではない。私が探しているのは、長期間かけて成功を収めている人だ。
個人的に何か重要なことを達成した経験について質問する。急激なキャリアアップを成し遂げていれば、良い兆候として判断する。応募している職務が簡単かどうかを確認したがる人や、最大の関心が大金を稼ぐことにある人(実際に面接でこの話題が出ることがある)は避けること。
2. 挑戦的な姿勢と、自分が証明したいものがある
高い評価を与えるべきなのは、完璧な人材でも、バランスのとれた履歴書でさえもない。採用するべきは、自身を成功へと突き動かす強力な何かを持っている人だ。例えば、学校の成績は振るわなかったが、在学中に複数のベンチャーを立ち上げ成功させた人は、完璧な候補となるだろう。
私が採用を行うときは、候補者の中学校時代までさかのぼって質問をしたり、どのように余暇を過ごしているか聞いたりする。卓越した資質と処理能力を示す実績や、困難な課題・リスクにも立ち向かう意欲のある人材を探している。
私は今まで、学校でオールAを取得しつつバレエを踊っていた人、夏にレモネードスタンドを運営して毎年売り上げを伸ばした人、家族の中で初めて大学に進学した人と働いてきた。
また、出身大学が常に重要なわけではない。実際に、統計によると大企業の最高経営責任者(CEO)の大半が、米国の名門大学群「アイビーリーグ」などのエリート大学出身者ではなく、州立大学やあまり名の知られていない私立大学を卒業している。
3. 「ノー」と言われても諦めない
ある人には障壁に見えることも、他の人には機会と映ることがある。最高の従業員は、今まで「不可能だ」と多くの場面で言われてきただろうが、それが障壁にならなかった人たちだ。
教育活動家で米非営利団体ガールズ・フー・コード(Girls Who Code)の共同創業者、レシュマ・ソジャニが良い例だ。エール大学法学科大学院に編入を果たす前、同校から3度不合格を受けている。その後は公職の選挙に出馬したものの、大敗を喫した。
それでも、根気強いソジャニは変化を起こすべく夢を追い続け、完璧さではなく勇気の力に光を当てることで、あらゆる場所の少女たちの——そしてあらゆる人のロールモデル(手本となる人物)となった。