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Buys, holds, and hopes

(Photo by Tomohiro Ohsumi/Getty Images)

アップルのiPadを取り扱う販売店にとって、ここ3年ほどは困難な時期だった。タブレット市場の縮小に加え、iPhone画面の大型化が引き起こしたカニバリゼーション(自社製品・サービス同士による売り上げの奪い合い、共食い)が原因だ。そこでアップルは今年、タブレット事業のてこ入れを図るための複数の計画を実行に移している。

タブレット市場の現状

タブレット市場は10四半期(2年半)にわたって縮小を続けている。調査会社IDCによると、2017年第1四半期の出荷台数は3620万台で、前年同期比で8.5%の減少を記録した。

ただ、同市場には健闘している分野が2つある。キーボードをはじめとする純正と廉価版のアクセサリだ。ユーザーらがタブレットの使い勝手を向上させるためにこれらを求めることで、売上高の増加が続いていると考えられる。

アマゾンやファーウェイなどは特に低価格の商品を中心に販売しており、市場シェアを拡大させている。アップルはこうした市場の動向を受け、対応に乗り出したと見られる。

新型iPad Proで狙うシェア拡大

発売されたばかりの新型iPad Proは、10.5インチモデルが650ドル(約7万1500円)、12.9インチモデルが1200ドル(約13万2000円)までとプライスポイントが高めに設定されている。この点から考えれば、iPadの平均販売価格と利益率の引き上げに貢献するのは、タブレットの周辺機器・アクセサリ-になるだろう。そして、アップルはこの製品分野での市場シェア拡大に狙いを定めている。

アップルペンシルやキーボード(価格は100ドル以上)などのプレミアムアクセサリーも、利益率を押し上げることができるだろう。同社はその他にも、iPad使用時の生産性を大幅に向上させるためのマルチタスク機能やファイル管理機能の向上を実現した。

第5世代iPadで狙う「低価格帯」市場

アップルは新型iPadにより、マイクロソフトが販売するWindowsパソコンの低価格帯のモデルとコンバーチブルPCの顧客の取り込みを狙っていると見られる。

これは、アップルとしては理にかなった戦略だといえる。同社のMacのラインナップは全般的に価格が上昇しており、最新モデルは1300ドルから。アップルのノートブックのうち、1000ドル以下で販売しているのは現在、発売から長年が経過しているマックブック エアーのみだ。アップルは製品別の利益率を公表していないものの、iPadとMacの利益率は同程度と推測されている。

アップルはこれまで以上に、タブレットの中でも低価格帯の製品市場でのシェア拡大に真剣に取り組む意向だと推測できる。今年3月にカジュアルユーザー向けに発表した9.7インチの新型iPad(第5世代)により、低価格帯の製品を求める消費者や、タブレットを初めて購入する層に対応可能な体制を整えたといえそうだ。これらの製品は、アップル製品のエコシステム全体に関心を向けてもらうための足掛かりになる。

タブレットの買い替えサイクルは、スマートフォンに比べて期間が長い。現在利用されているタブレットの約30%は、2012年またはそれ以前に発売されたiPadだとされる。従来よりも低価格に設定したiPadはハードとソフトの両面から、こうしたユーザーたちの買い替えを促すこともできるといえそうだ。

編集=木内涼子

 

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