ウェイボーの親会社は、中国の大手ニュースサイト「Sina.com」を運営する新浪(Sina)で、株式の50%を保有している。第2位株主はアリババで、31%を保有している。
ウェイボーは売上高の80%を広告で稼いでいる。同社の前四半期の総売上高は前年同期比67%増の1億9900万ドル、純利益は前年同期比561%増の4700万ドルだった。これに対し、ツイッターの1Qの純損失は、6200万ドルだった。ウェイボーの成功には、以下の3つの要因が挙げられる。
1. 動画も含むリッチなコンテンツ
ツイッターのサービス内容がここ数年ほとんど変化していないのに対し、ウェイボーはツイッター、ピンタレスト、タンブラーを組み合わせたようなマルチメディアなブログプラットフォームへと進化を遂げた。同社は中国のミレニアル世代がテキスト投稿よりもリッチコンテンツを好む傾向を踏まえ、ユーザーがこれまで以上に画像や動画を投稿できるようにした。
また、ウェイボーはユーチューブのように数百もの動画制作者と組み、教育や料理、スポーツ、エンターテイメントなど様々なコンテンツを配信している。国営テレビ局のCCTVとも提携し、絶大な人気を誇る中国版紅白歌合戦、「春節聯歓晩会」の編集版も配信している。
ウェイボーの提携先は、中国企業だけではない。NFLとNBAは、中国人ファンを獲得するため、ウェイボーで試合の動画配信を開始した。ウェイボーのCEOであるWang Gaofei によると、今年のスーパーボウルの映像クリップをアップロードしたところ、最初の24時間での再生回数が8000万回を超えたという。
さらにウェイボーの大きな特徴の一つは、そのインタラクティブ性にある。人気ブロガーは、ウェイボーのアプリ上で動画をライブ配信し、視聴者は仮想ギフトを贈ることができる。あるファッション系ブロガーは昨年、仮想ギフトで800万元(約1億3000万円)を稼いだという。野村證券のアナリストによると、こうした取組みが熱心なファンの獲得につながり、3月の動画再生回数は前年から5倍も増加した。現在、ウェイボーの広告収入の20%近くを動画広告が占める。
「ウェイボーは、常にプロダクトを改良している。同社はセレブだけでなく、小規模なメディアサイトとも提携してリッチなメディアコンテンツを配信し、堅実なコンテンツエコシステムを構築している」と調査会社86 Researchのアナリスト、Zhang Xueruは分析する。