同期の税引き前利益は21%減の約4億6200万ポンド、売上高は2%減の約28億ポンドだった。
だが、この決算発表を受け、同社の株価はおよそ1か月ぶりの高値を付けた。その理由は、英金融街シティの市場関係者らが同社の今後について、継続的な増益が期待できると見込んでいることにある。バーバリーの予想株価収益率(PER)は現在、20.9倍とされており、FTSE100の予想PERである15倍台を上回っている。
高級品市場は広く回復傾向にある。それに加え、バーバリーが行った製品の刷新とそれらの発売に向けた巨額の投資が、同社製品の需要の伸びを後押ししている。実際に、メンズのベルトなどの小物を展開する「バックル」やバッグコレクションの「DK88」は10代半ばの若者たちを中心に高い人気を得ており、売り上げの増加に貢献した。
さらに、投資家らが好感しているのは売上高だけではない。バーバリーは2016年度、2000万ポンド相当のコスト削減を実現した。さらに、2017年度には5000万ポンド、2019年度までには「少なくとも」1億ポンドの経費を削減する計画だ。
今年7月に最高経営責任者(CEO)を退任するクリストファー・ベイリーは、「目まぐるしい変化を遂げる高級品市場において、バーバリーも移行期を迎えた」と発言。「将来の成長に向けて築いてきた基盤が効果を上げ始めている。今後も基盤は強化されていくと確信している」という。ベイリーの退任後、同職にはセリーヌの前CEOであるマルコ・ゴベッティが就く。
米国での店舗売上高は不調
卸売部門の売上高とライセンス収入は減少したものの、バーバリーのこの1年での店舗の売上高は、増加を記録している。グループ全体の売上高の77%を占める店舗の売上高は、前年比3%増を達成した。
アジアでは中国本土の既存店売上高が第4四半期に前年比で2桁台の伸びを記録。通年でも1桁台後半の増加となった。香港での売り上げは減少したものの、改善傾向は見られるという。
一方、欧州と中東、インド、アフリカを合わせた売上高は、年度後半の2桁台の伸びや、英国内の店舗の販売が「非常に好調」だったことにより、1桁台後半の増加を達成した。ただし、南北アメリカでの業績は低迷しており、既存店売上高は数パーセントの減少を記録した。