スポティファイは4月4日、ユニバーサルミュージックグループ(UMG)との新たな複数年契約の締結を発表。今回の契約はUMGの全コンテンツが対象で、定期用範囲はグローバルとなっている。
今後、UMGの所属アーティストらは新作アルバムの発売に際し、スポティファイでの配信対象を有料会員のみにすることが選択可能で、アルバムの発売から2週間が経過後は無料会員向けにも配信できる。
プレスリリースでUMGは「この取り決めで、新作アルバムのリリースに対してより自由度が増した」と述べた。シングル楽曲には今回の取り決めは適用されない。
新作の公開に制限を設けることは、スポティファイとレーベル間で長年話し合われてきたテーマだった。今回の契約はレーベル側に一定の勝利をもたらしたものと受け取れる。
スポティファイ側としては、会員種別に応じて配信タイトルを変えることは、ユーザーの利益にならないとの考えだった。しかし、レーベル側としては初週のアルバム売上は非常に重要であり、売上の減少に悩む彼らはこれをなんとしてでも食い止めたい願いがあった。
スポティファイがUGMと今回の契約を結んだことにより、今後は他の大手レーベルとも同様の契約を締結する見込みが強まった。これは、スポティファイ側としては不本意な契約なのかもしれない。しかし、スポティファイは来年にもIPOを計画中と伝えられており、事業拡大に備えて大手レーベルの賛同を得ることは避けられない流れと見られている。
[訂正]本記事内で、スポティファイで配信される全新作アルバムが有料会員限定になるとの誤解を招く表現があった点を訂正いたしました。