日本経済新聞の英語版は、日本での任天堂スイッチの価格が2万5000円になると予測。海外での販売価格は250ドルを見込んでいる。
2012年に発売されたWii Uはベーシックモデルが300ドルだった。300ドルという価格はWiiを大幅に上回り、売上は振るわなかった。任天堂は今回のスイッチの基本モデルを250ドルで販売し、上級機種を最低300ドルで販売すると見られている。
コンソールゲーム機分野で任天堂は低価格を武器に戦ってきた。マイクロソフトのXbox OneやソニーのPS4はそれぞれ500ドルと400ドル。2006年発売のPS3は上位機種が600ドルの高値だった。スイッチは外出時には携帯機として、家では据え置き機としてプレイ可能なマシンだが、300ドルを上回ることはないだろう。
携帯機としても据え置き機としても使えるマシンが250ドルというのはお得に思えるが、任天堂の先行きについての疑問も浮かぶ。
任天堂はこの先、3DSを廃止するのかもしれない。だとしたら、3DSの遺産を受け継ぐのはスイッチになる。しかし、任天堂はこれまで携帯機で膨大な売上を生み出しており、今後スイッチの一機種でその穴を埋めなければならないことになる。
ハードウェアの売上で考えるとスイッチの売上は、携帯と据え置きの2台の製品売上(500〜550ドル程度)には遠く及ばない。この穴を埋めるために任天堂は、膨大な数のスイッチを売ることが求められる。しかし、これは実現可能なのだろうか?
2012年に発売され、昨年生産中止が発表されたWii Uの累計販売台数は1,336万台だった。2011年発売の3DSはこれまで6,157万台を売っている。3DSは今年も販売が継続されるが、それがいつまでなのかは明かされていない。
任天堂が新たな携帯ゲーム機をリリースする可能性もあるが、それがないとしたらスイッチがハードウェア売上の主軸を担うことになる。スイッチは3DSを超える7,000万台を販売することが可能だろうか。これはかなり高いハードルと言えそうだ。
任天堂は今後、モバイル分野でさらなる増収も期待できる。IPを他業種に提供する(テーマパーク等への提供もありうる?)ビジネスモデルも考えられる。しかし、同社の未来の多くの部分を今後、スイッチが担うことになるのは確実だ。