人事関連の業務に就くことは、女性たちの素晴らしいキャリアパスになる可能性がある。この部門は唯一、Cレベル(経営幹部)のポストの50%以上を女性が占めているからだ。ただ、働く女性たちが全てトップに立つことを目指しているかといえば、必ずしもそうとは限らない。
人事部で働く女性たちは日々、仕事についてどのようなことを考えているのだろうか?
仕事への満足度は高い
人事部は、そこで働く女性たちの仕事に対する満足感が最も高い部署の一つだ。満足度は5を最高とした5段階評価で、平均3.7となっている。
女性に人気の理由は?
人事関連の業務が働く女性たちに人気である理由の一つは、成功を収めた数多くの女性たちに囲まれた環境で働けるということだ。この部門の女性従業員たちの3分の2が、自分の職場では男女平等が実現されていると考えている。その割合は100%には程遠いものの、その他の部署でこう答える女性が55%にとどまることを考えれば、かなりの高水準だ。
報酬もまた、仕事に対する満足感に関連しているはずだ。フェアリーゴッドボスに仕事に関するレビューを投稿した人事部門の女性たちの年収は、8万~10万ドル(約887万~1,108万円)ほど。米国の女性の年収が平均4万4,000ドル(約488万円)であることをみれば、およそ2倍であることが分かる。
また、人事部門は他の部署に比べて女性の上司が多いため、後輩の女性たちにとってのロールモデルとなる人が多く、その他の部署よりも柔軟な働き方が認められているのかもしれない。
デメリットは?
人事で働くデメリットは、企業それぞれに特有の事情によって異なるもようだ。だが、一部の企業で働く女性たちは、経営陣に男性中心の文化と姿勢がいかに浸透しているか、それらが企業トップとの関係の構築や改善をいかに妨げているかについて指摘している。
人事部は多様性と平等の問題を改善できるか?
残念ながら、人事部で働く女性たちの大半は、自分たちにこれらを実現できる力があるとは思っていない。彼女たちのレビューを読む限りその多くが、多様性については“自分たちが影響を及ぼせる問題ではない”と捉えていることが分かる。人事関連の業務を専門とする多くの人たちにとって、男女平等の問題に及ぼすことができる影響力は限られているようだ。
人事部にも支援が必要
企業の方針や文化の変化を推進するために、経営陣が行動を起こす必要があることは明らかだ。それは同時に、人事部に力を与え、現場で起きている不愉快なことをトップに報告し、また提言も行えるようにする必要があるということでもある。
人事部門で働く女性たちは、その他の大半の女性従業員たちより仕事への満足度が高いかもしれない。だが、それでも彼女たちが他の部署の女性たちの満足度を自分たちと同程度にまで高められるよう支援できるようにするためには、人事部門へのさらなる支援と、権限の付与が必要だ。