その5名の中で資産額トップに立ったのが、中国のタッチスクリーンメーカーのレンズ・テクノロジー社(藍思科技)、創業者の周群飛(Zhou Qunfei)。現在、アップル等のスマートフォンのタッチスクリーンを製造するレンズ社は周が夫の鄭俊龍(Zheng Junlong)とともに創業した企業。
同社の株式の大半を所有する周の資産額は今年、64億ドル(約6,430億円)と算定された。中国の貧しい農村出身の周は起業する以前はガラスメーカーの工場労働者だったという。
2位につけたのは英国のオンラインギャンブル企業、Bet365の創業者のデニース・コーツ(48)で資産額は38億ドル(約3,820億円)。Bet365は非上場だがここ一年の業績は好調で、昨年から9億ドルの資産を増やした。
今回、初めてランク入りを果たしたのが中国で10万人を雇用するタッチスクリーンメーカー、Biel Crystal Manufactoryの共同創業者、Lam Wai Ying。彼女は夫のYeung Kin-man(楊建文)とともに同社を起業。資産額は30億ドル(約3,040億円)と推定され、女性のIT長者ランキングでは3位に入った。
4位は73歳でランク入りを果たしたジュディス・フォークナー。電子健康記録(EHR)分野の大手、米 エピックシステムズ(Epic Systems)のCEOであるフォークナーは1979年に同社を創業。エピック社は現在、米国民の半数以上の医療情報を保有し、2015年の売上は20億ドルに達した。フォークナーの資産額は27億ドル(約2,710億円)と算定された。
5位のメグ・ホイットマン(60)は5名の中でただ一人、創業者ではなく企業の経営能力で評価され、財産を築いた人物だ。玩具メーカーのハズブロやウォルト・ディズニーの取締役として活躍したホイットマンは1998年、当時は従業員数30人程度の規模だったeBayの最高経営責任者に就任。97年の売上が570万ドルだったeBayを、2008年の退任時には売上80億ドルまでに成長させた。
ホイットマンの資産額は今回、22億ドル(約2,210億円)と推定された。現在ヒューレット・パッカードのCEOで共和党員の彼女は、今年の米大統領選では民主党候補のヒラリー・クリントンの支持を表明し、「資金援助も行なう」と発言して話題を呼んでいる。