ソーダストリームは2014年の業績が振るわなかったことを受けて、事業の見直しを行った。2014年第4四半期(10~12月期)の収益は前年同期比25%減、年末までに株価は58%下落した。そこで同年10月から、同社は「炭酸水メーカーのトップブランド」を名乗り、炭酸水を中心に据えたマーケティングを行った。
あれから2年。炭酸飲料から炭酸水に重点を移した戦略が効果を生んでいる。8月2日に発表された第2四半期の決算内容は、売上高が1億1,920万ドル(約120.6億円)と前年同期比17.2%増で、ウォール街の予想も2,000万ドル(約20.2億円)上回った。純利益は前年同期比120%増の780万ドル(約7.9億円)で、1株当たり利益は37セント(約37円)だった(前年同期は17セント=約17円)。
ソーダストリームのダニエル・バーンバウムCEOは2日朝に発表した声明で、こう述べた。「当社は、ソーダストリームの位置づけを炭酸水中心のブランドに変え、家庭での炭酸水メーカー使用の利点を消費者にアピールしてきた。このことが収益の2桁成長につながった」。さらに、ソーダストリームは予想を上回るペースで収益を上げたが、その理由は粗利益の増加と、生産活動をイスラエルの新工場に移管したことによる作業効率の改善にあると説明している。
「炭酸水メーカーの売り上げを伸ばすため、家庭での普及を目的とするマーケティング戦略も導入した。これが消費者にも届いたのだろう」
特にフランスやドイツ、カナダなどでは、消費者の需要が炭酸飲料から炭酸水にシフトしている。しかし、その傾向は簡単に変化する可能性もある。市場調査会社ユーロモニターの分析、業界紙「ビバレッジ・ダイジェスト」のデータを見ると、2016年は史上初めて、ボトル入り飲料水の売上高が炭酸飲料を上回る勢いだ。
炭酸水メーカーを販売する企業にとって、飲料水の需要が高まることは理論上はいいことだが、その背景にある問題はソーダストリームにとって厄介かもしれない。ブルームバーグによれば、人々がボトル入り飲料水に目を向けるようになっている理由は、インフラの老朽化と水道水の汚染問題がある。ソーダストリームは自社の炭酸水メーカーを、水道の横に置いて使うものとして売り込んでいるのだ。
決算発表を受けて、ソーダストリームの株価は17.3%上昇。年初来では75%の上昇を記録している。