アカデミー・オブ・フィンランド(Academy of Finland)の研究チームは、ヘルシンキに住む12歳から18歳、3,000人以上を対象に、インターネットの利用状況と学校での様子に関するアンケート調査を実施。その結果を「Journal of Youth and Adolescence」に掲載した。それによると、学習意欲が低い生徒ほど、過度なインターネット利用に走る傾向があるいという。
ネットのしすぎと学習意欲の低下の因果関係ははっきりしないが、子供は学校に興味がなくなったとき、ネット依存に陥りやすいことは明らかだ。5月にCommon Sense Mediaが発表した調査結果によると、ティーンエイジャーの50%が携帯端末に「依存していると思う」と回答している。また、67%のティーンエイジャーがスマホを持ち、1日に6時間以上もスクリーンを眺めているという報告もある。
スマホを手放せない子供たちを映画化
医師で映画制作も行うDelaney Rustonは、子供たちが過度なスマホ依存に陥らないよう、親が積極的に取り組むべきだと警鐘を鳴らす。子供と話し合い、インターネットの利用にルールを設けることを彼女は勧めている。
「親たちは子供任せにし過ぎています。それは彼らのためになりません」と彼女はフォーブスの取材で答えた。彼女は2月にアメリカで公開された「スクリーンエイジャーズ~デジタルエイジに育って(Screenagers)」というインディペンデント映画で、スマホを手放せない子供たちを取り上げた。
アカデミー・オブ・フィンランドの研究によれば、ネット依存症と学習意欲低下の問題に対処すべき重要な年齢は、13歳から15歳だという。ただし、子供たちを無理やりネットから遠ざけることは逆効果を生む。
Rustonの映画ではダイナーで食事をとる子供たちが、全員のスマホをテーブルに置き、一番先にスマホの画面を見てしまった者が、食事代を払うといったゲームに興じる姿も描かれている。子供のネット依存を防ぐにはまず親子の対話と、子供たちが自分の判断で適度な使用を心がけるよう、自主性を育む努力が必要なのかもしれない。