自動車部品メーカー寧波双林汽車部件(Ningbo Shuanglin Auto Parts)のウー・ジェンビン会長 (35)がその一人。照明器具やプラスチック製のパーツなどを扱う同社は売上が伸びており、この1年で株価が以前の2倍に高騰したのが要因だ。ビジネスパートナーにはゼネラルモーターズやフォード、トヨタが含まれる。世界各地に輸出しており、今後、人民元の価値が下落すれば、その恩恵を受けることになるだろう。
ウーは2004年から同社の会長を務めている。創業者である父は健康上の理由から2006年に退任し、2011年に死去。その後を継いだ彼は、中国の自動車および部品メーカーの中で最年少のビリオネアとなった。
寧波双林汽車部件は昨年、売上高が前年比65%増の3億8,100万ドル(約412億円)に、純利益は85%増の3,800万ドル(約41億円)に達した。ホイールハブのメーカー、湖北新火炬科技股份有限公司(Hubei New Torch Science & Technology)の買収によって業績が押し上げられた。
親会社の寧波グループは観光やレジャー、教育も手がけており、2016年中ごろまでには自動車部門の株式4%を売却して別事業の投資に充てる計画を発表した。
もう一人は探鉱業界から、上海証券取引所に上場しているTibet Huayu Miningのリュー・ジェンジュン会長(56)が4月7日にビリオネアの仲間入りをした。リューは同社の株46%を保有しており、7日時点の株価の終値である1株当たり27.93元で計算すると10億ドル(約1,080億円)相当になる。
Huayuの株価は3月17日の上場以来、289%の上昇を記録している。3月には1株7.18元で5,200万株の新株を発行しており、調達資金は探鉱事業のサポートなどに充てる予定だ。
同社の2015年度の収益と純利益は、それぞれ前年比10.6%減の9,200万ドル(約99.4億円)と同20.3%減の2,500万ドル(約27億円)。鉱物資源の価格下落がその理由だが、積立金の規模が投資家に楽観視され株価は上昇している。
リューは、河北省邯鄲市の高校を卒業。1977年から84年まで同省の鉱業所で働いたのち、5年間輸送ビジネスに携わった。1989年に好物業界に入り、2002年にHuayuの前身を立ち上げていた。