コーヒーがもたらす効果のすべてが明らかになったわけではない。だが、コーヒーやその含有するさまざまな化合物が、結腸をはじめとする多くの臓器の健康維持に有効な可能性があり、この点についてはすでに、多くのことが明らかになっている。
効果の一つは、コーヒーが結腸の活動を促進させ、速やかな排せつを促すという点だ。毒素が体内にとどまる時間を短縮させることになる。また、コーヒーには野菜などがん発症リスクに影響を及ぼすその他の食品と同様に、腸内細菌のバランスを調整する効果があるともみられている。
このほか、コーヒーには遺伝子発現を変化させたり、細胞の増殖の速度を抑制したり、細胞の分子レベルでの損傷を防ぐ抗酸化物質として機能することによって、がん発症の可能性を低下させる物質が含まれていると考えられている。
過去の研究の中には、前立腺がんや乳がんなど一部のがんにはドリップコーヒーよりも煮出したコーヒーの方が効果的だとする結果を示すものもあった。だが、この結果はその他のがんの予防との関連性が証明されていない。
しかし、今回の研究では、少なくとも結腸がんについては、コーヒーの入れ方とカフェインの含有量は、効果のあり方に関連性がないとみられることが確認された。