フォーブスが先ごろ発表した「世界で最も評価の高い企業」のために調査を行った米ボストンのコンサルティング会社、レピュテーション・インスティテュート(RI)による調査の結果、中国の国民が高評価を与える自国企業は、深圳を拠点とする通信機器メーカー、ファーウェイ(華為技術、Huawei)一社のみだった。
中国の消費者が高評価を与える企業のトップ3は、以下のとおり(かっこ内は各社の本拠地)。
インテル(米、カリフォルニア州)
ロレックス(スイス、ジュネーブ)
ロールスロイス(英、ロンドン)
また、トップ100までに挙げられた中国企業は、次のとおりだった。
招商銀行(15位)
アリババ(阿里巴巴、Alibaba Group、30位)
青島ビール(青島啤酒、Tsingtao Brewery Company Limited、31位)
中国国際航空(Air China、56位)
レノボ・グループ(聯想集団、Lenovo Group、75位)
ハチソン・ワンポア(和記黄埔、Hutchison Whampoa、77位)
中国建設銀行(80位)
交通銀行(91位)
タスリー・ファーマシューティカルズ(天士力、Tasly、93位)
中国銀行(98位)
RIは1997年の創設以来、各分野の企業に対し、さまざまな市場の潜在顧客による評価を引き上げるための戦略や本質を見極める方法についてアドバイスを提供してきた。最も高評価な企業上位100社のリストを作成するためには、毎年7つの項目(製品・サービス、イノベーション、職場、統治、市民性──環境に配慮し、社会に前向きな貢献をしているか、リーダーシップ、業績)に対する市民の評価を集計し、スコアを算出。ランキングを割り出している。
中国以外の国では、7項目のうち「リーダーシップ」が最も軽視される場合が多いが、中国では3番目に重要とされており、その他各国とは「評価」の判断基準が異なる。そのほか、中国では企業が「成功を収めている」とみられているか否かが、市民の評価に大きな影響を及ぼしている。
RIによると、中国ではその他各国ほど、消費者に製品を買ってもらうために企業自体が高い評価を得る必要はないようだ。各国では、RIのスコアで「平均」と判断された企業(RepTrak Pulseで60~69)に対し、消費者が「この会社の製品を買いたい」と答える割合は35%にとどまる。2番に高い評価の「良い」(スコア70~79)なら、55%が「買いたい」と回答する。一方で中国では、「平均」の企業でも52%以上、「良い」企業で76%が、その企業の製品を「買いたい」と回答している。
この結果を受け、RIの共同創業者であるカスパー・ウルフ・ニールセンは、「消費者に自社製品を他者に勧めてもらうために高い評価を得ることが必要となるのは、企業が市場シェアの拡大を目指して競い合う世界にみられる傾向だということだ」と指摘している。