欧州

2025.03.31 09:00

ロシア軍、ポクロウシク南方で装甲車両12両を粉砕される 再び攻撃強化

Shutterstock.com

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ウクライナの戦場で装甲車両に大きな旗を掲げて戦闘に入るというのは、いたずらに危険を高める行為である。ロシア軍は3月27日、まさにそれをやった。白・赤・青のロシア国旗をたなびかせながら、ロシア軍の車両は突撃した。

ウクライナ東部ドネツク州の要塞都市ポクロウシクの南方にあるアンドリーウカ周辺で、ロシア軍でますます貴重になっている装甲車両が12両、ウクライナ軍の陣地に向かって進んできた。ウクライナ軍の第35独立海兵旅団と第414独立無人攻撃機旅団「マジャールの鳥」が大砲やドローン(無人機)を準備して待ち構えていた。

「縦隊全体が完全に破壊された」とウクライナ軍人のブロガーは報告している。ロシア軍は2月、ロシア西部クルスク州で旧ソ連の赤い旗を掲げて攻撃した時も似たような結果になっていた。

ポクロウシクはそこから北へ連なる要塞都市群の要だ。ロシア軍はここへきて再びこの都市への圧力を強めている。

再び攻撃強化の兆し

ロシア軍はドネツク州の廃墟と化したアウジーウカからポクロウシクまで、およそ40kmの道のりを1年ほどかけて進軍してきた。だが2月、ウクライナ軍が集中させているドローンや大砲の分厚い壁にぶつかり、攻勢はポクロウシクから数kmのあたりで行き詰まった。

ロシア軍がクルスク州からのウクライナ軍排除に集中したこともあり、ポクロウシク方面の攻撃は数週間にわたって小康状態にあった。クルスク方面では3月半ば、ロシア軍がウクライナ軍の大半の部隊を駆逐した。

そして現在、「ロシア軍はポクロウシク方面で攻撃の強度を増しており、2025年1月と同水準の強度にしようとしている」と、ウクライナのシンクタンクである防衛戦略センター(CDS)は29日の作戦状況レポートで指摘している。

27日の突撃のために、ロシア軍の部隊は装甲車両12両を集めて縦隊を組ませた。ロシア軍の装甲戦闘車両の損害が1万2000両を超え、各部隊が兵員を動かし続けるのにますます民生車両に頼るようになるなか、こうした光景はだんだんと珍しいものになってきている。

クルスク方面でロシア軍が勝利を収めたのは、ウクライナ軍の保持する突出部が狭く補給線も脆弱だったところに、ロシア軍が最も優秀なドローン部隊を投入して突出部への主要な補給路の遮断を進めたためだった。

一方、ポクロウシク方面では、突出部を保持するのも補給線が脆弱なのもロシア軍側だ。前出のウクライナ軍人ブロガーは、壊滅的な結果に終わった今回の突撃について「ロシアの攻撃の弱さがまたしても裏づけられた」とし、ロシア軍はこの方面で「装備を蓄えても何もできない」と断じている。

こうした状況を考えれば、ロシア軍部隊が戦闘ですでに勝利したかのようにロシア国旗を掲げて突撃したのは、軽率だったと言わざるを得ない。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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