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2025.03.16 08:00

「戦う」と「闘う」の違いと意味とは?正しい使い分け、ビジネスシーンでの使い方を例文付きで徹底解説

「戦う」と「闘う」の意味とは?

「戦う(たたかう)」とは、武力や技術、あるいは試合などを通じて相手と勝敗を競う行為を指します。一般的に争いや戦争、スポーツの試合などで「戦う」という言葉が用いられ、勝ち負けや優劣を決める過程を強くイメージさせるのが特徴です。相手との物理的衝突や直接的な競い合いを含意する表現としても理解されやすいでしょう。

一方、「闘う(たたかう)」は、精神的な苦難や自身の内なる問題、体調不良や困難な状況に立ち向かう場合など、より内面的・抽象的なニュアンスを持つ言葉です。例えば「病気と闘う」「眠気と闘う」というように、相手が必ずしも物理的存在とは限らず、自分の中の弱さや病状と向き合う際にも使われます。もちろん、敵やライバルに立ち向かう場合でもあくまで精神的なスピリットや強い意志に焦点が当たるため、「戦う」よりも内面の姿勢を強調する表現だと言えます。


使い分けのポイント

どちらも「たたかう」と読むため、意識しないと混同しがちですが、下記のような観点から区別すると把握しやすくなります。

物理的な争い・競技なら「戦う」

相手と直接ぶつかり合い、勝敗を決めるような状況では「戦う」が自然に合致します。例えばスポーツの試合やビジネス競合で互いに成果を競う場面などが典型的です。相撲やサッカー、ビジネス競合などで使われることが多く、結果としての勝ち負けが明確に表れるケースに適しています。

精神的・内面との勝負なら「闘う」

自分のなかの弱さや困難な現実を乗り越えようとする場合には「闘う」を使うとよいでしょう。相手がはっきりとした人物や組織ではなく、自分の迷い、病気などの見えないものと向き合うときにぴったりです。もちろん、他者との衝突であっても気持ちや意志の強さに重きをおく場面では「闘う」が用いられることもあります。

ビジネスシーンでの使い方

ビジネスでよく耳にするのが「競合会社と戦う」「厳しい市場環境と闘う」といった表現です。このように、「戦う」「闘う」はビジネスにおいても随所で登場しますが、次のようなシチュエーションで使われる傾向があります。

「戦う」が用いられる場面

  • 業界内の価格競争や売上争いで他社と勝敗を競う
  • スポーツイベントや社内運動会などでの対外試合に参加する
  • 売上目標に向けて営業チームがライバル企業と直接競合するとき

これらはいずれも相手が明確に存在し、勝ち負けや順位といった指標が重視されるため、「戦う」という言葉が自然です。

「闘う」が用いられる場面

  • 長時間労働など過酷な労働環境と、社員がやむを得ず闘う状況にある
  • 業績不振・不安定な経営状況というプレッシャーに立ち向かう
  • 自分の弱点や苦手分野を克服しようとする取り組み

ここでは相手が必ずしも物理的なものではないことが多く、どちらかと言えば気持ちや態度の部分に焦点を当てています。

注意点と誤用を防ぐコツ

「戦う」と「闘う」は相手のイメージが異なり、使い分けを誤ると文章や会話で違和感を生む可能性があります。はっきりと競争相手がいるのか、もしくは困難や自分の精神面と対峙しているのかを考慮し、正しく選ぶよう心がけましょう。

相手がいるかどうかを確認する

相手やライバルがはっきり存在し勝ち負けを争うなら「戦う」、対する対象が見えないもの(困難、病気、苦しみなど)であれば「闘う」が基本的な使い分けです。「これからやる仕事は競合企業との売上争いなのか、それとも自分との闘いなのか」を考えると分かりやすいでしょう。

ビジネスレポートやプレゼンでは状況を具体的に

ビジネスで「戦う/闘う」という単語を使うと抽象的になりがちです。なるべく具体的なデータや根拠を併記しながら書くことで、上司や同僚にもわかりやすいレポートやプレゼン資料になるでしょう。例えば「市場シェアをかけて競合他社と戦う」に続けて具体的な数字を示す、または「社員のモチベーション低下に闘う姿勢を見せる」に続いて原因分析や対策を提示するなどが挙げられます。

類義語・言い換え表現

「戦う」「闘う」以外にも、相手や困難に立ち向かう姿勢を示す言葉はさまざま存在します。選択肢を増やすことで、表現の幅が広がり、文章や会話をより正確に彩れます。

「争う」

「争う(あらそう)」は、複数の相手同士が何かを取り合ったり、意見の対立を持ったりする様子を示す言葉です。人との対立や競い合いを指しやすく、「戦う」よりも少し広い意味で使われる場合があります。

「立ち向かう」

「困難や課題に立ち向かう」と言えば、相手が物理的存在でも抽象的な問題でも対応可能で、状況を選ばずに使いやすい表現です。「目の前の課題に立ち向かう」「敵に立ち向かう」など、多方面での汎用性があります。

「挑む」

「挑む(いどむ)」は、自分から積極的に取り組む姿勢やチャレンジ精神を強調するときに便利です。相手や課題に対して「強い意志で挑戦していく」ニュアンスがあり、「闘う」と似た雰囲気ですが、やや前向きな印象を受ける表現といえるでしょう。

例文:ビジネスシーンでの活用

以下では、「戦う」と「闘う」をビジネスで自然に使う例文をいくつか示します。文脈に応じて正しく使い分ければ、相手に伝わりやすいメッセージを発信しやすくなるでしょう。

「戦う」を用いた例

  • 「今季は新製品でライバル企業と戦う構図になりそうです。まずは市場調査を徹底して、戦略を練えましょう。」
  • 「我が社が優位性を保つには、価格面だけでなく品質面でも世界と戦えるレベルを目指す必要があります。」

こちらは相手がはっきりいて勝ち負けが発生する状況に適した例文です。競争や対決のムードを感じさせます。

「闘う」を用いた例

  • 「長時間労働によりメンタル面で疲弊している社員が増えていますが、これは会社全体で闘うべき問題だと捉えています。」
  • 「不況下では景気の落ち込みに闘いながらも、新規プロジェクトを着実に進める覚悟が求められます。」

見えない相手(不況や社内の疲弊など)に立ち向かう様子を表現する際には「闘う」が自然です。


まとめ

「戦う」は敵やライバルのように外部に明確な相手があり、勝敗や優劣を競い合うときに使われます。一方、「闘う」は困難や試練といった目に見えないもの、あるいは自分の内面との対立に向き合う状況を表すのが本質的な違いです。


ビジネスシーンでは、「戦う」は他社との競争や市場シェア争いといった外との勝負に、「闘う」は不況対策や社内の課題など内的困難に挑む場面でそれぞれ用いるのが自然と言えるでしょう。


また、類似の言葉として「争う」「立ち向かう」「挑む」などがあり、それぞれ微妙にニュアンスが異なるため、状況や相手に合わせて選択することが大切です。正しく使い分けることで、自分の意図や状況をより的確に伝え、よりスムーズなコミュニケーションに役立てることが可能になります。

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