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欧州

2025.03.13 17:30

ロシア軍、一度の突撃で車両23両・人員159人失う 東部シベルシク方面

Shutterstock.com

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ロシアはクルスクの戦いに勝利した。ウクライナ軍は北部の国境を越えてロシア西部クルスク州に電撃的に侵攻し、かなりの広さの突出部を支配してから7カ月後、自国側に撤収する結果になった。

だがこの撤収を、ウクライナ側のより広範な弱さの表れだと誤解してはいけない。ロシアが始めて3年1カ月近くたつ全面戦争の1300km近くにわたる戦線のほかの方面では、ロシア軍の攻勢は停滞するか、ウクライナ軍の断固たる反撃を受けて守勢に転じている。

11日かそれ以前に、ウクライナ東部ルハンシク州との州境に近いドネツク州北東部の都市、シベルシク方面で起こったことをみてみよう。シベルシクの東に築かれたウクライナ軍第30、第54両独立機械化旅団や第81独立空中機動旅団の陣地に対し、ロシア軍の第3軍団の所属かもしれない大規模な部隊が攻撃を仕掛けた。

ウクライナ側は地雷やドローン(無人機)、大砲を用いて、ロシア軍の長い突撃縦隊を手際よく撃破していった。この日、ロシア軍の陣地を出発した車両少なくとも41両のうち、帰還できたのはわずか18両で、その多くは損傷していた。ウクライナ軍でこの方面を統括するルハンシク作戦戦術集団は、ロシア側の人員の損失は159人にのぼったと報告している

鈍る攻勢

この突撃部隊が被ったような壊滅的損害は、ウクライナ東部の最近の戦闘でロシア軍に珍しいものではない。

ロシア軍の人的・物的損害がロシアの新たな人員や車両を生み出す能力を超えるなか、ロシア軍がドネツク州のチャシウヤール、トレツク、ポクロウシク各方面で1年にわたり続けてきた攻勢はいずれも勢いを失っている。ウクライナ軍はこれら3つの方面すべてで反撃に転じ、ロシア軍が何万人もの兵士と何千両もの車両を犠牲にして達成した前進を少しずつ削り取っている。

ロシア軍がクルスク方面の作戦に最も優秀な部隊を投入したのは明らかだ。とりわけルビコン先進無人技術センターの精鋭ドローン部隊は、2月下旬ごろからウクライナ側の補給線に対する攻撃を重ね、これは最終的にウクライナ軍を同州からの撤退に追い込むことにつながった。ロシア軍がクルスク州に戦力を集中させたために、ウクライナではロシア野戦軍がさらに消耗し、ウクライナ側はロシア軍をいくらか押し返すチャンスを得られたのかもしれない。

ウクライナ東部のパワーバランスは再び変化する可能性がある。クルスク方面で勝利したルビコンのドローン部隊はほかの方面、おそらくウクライナ東部に転戦できるだろう(編集注:アナリストのアンドルー・パーペチュアは、ルビコンはこれまでもクルスク方面のほかにポクロウシク方面、ベリカ・ノボシルカ方面に注力してきたと説明している)。

ただ、ロシア軍は東部のいくつかの軸で前進を試みており、ルビコンの部隊がすべてをカバーすることは不可能だ。ロシア軍がウクライナの戦線で勢いを取り戻すには、精鋭のドローン部隊が複数必要になるかもしれない。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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