グーグルは、人工知能(AI)アシスタントの上位版のGemini Advancedとクラウドストレージサービスの無料提供を、Xiaomi(シャオミ)のスマートフォンに拡大する模様だ。
ニュースサイトAndroid Authorityは2月25日、Googleアプリ(バージョン16.7.21.sa.arm64)のコード内の「Google One AI プレミアム」のトライアル版の提供対象の記述に、シャオミのブランド名が含まれていることを発見したと報じた。このトライアル版には、Gemini Advancedや2TBのクラウドストレージが含まれている。
このコード内には、サムスンのGalaxyやPixel、Motoなどのブランド名と並んで、シャオミの名前が記載されていたという。ここには、3月2日に発表予定のシャオミのXiaomi 15 Ultraに関する記述はなかったが、この端末には、Google One AI プレミアムが無料特典として提供されることが期待されている。
グーグルは、この特典の提供にあたって自社の端末を最も優遇しており、Pixel 9とPixel 9 Proのユーザーは、年間費用が240ドル(約3万6000円)相当のGoogle One AI プレミアムを1年間無料で利用できる。さらに、サムスンのGalaxy S25の購入者の無料期間は6カ月で、モトローラのRazr 50 Ultraの購入者の無料期間は、3カ月とされている。
シャオミの端末の購入者の無料期間は、3〜6カ月になると考えられる。グーグルは、このような無料期間を設けることで、ユーザーが同社のソフトウェアを利用する機会を増やそうとしている。
グーグルとサムスン、アップルの3社は現在、それぞれのモバイルAIシステムをできるだけ広く普及させるための競争を繰り広げている。グーグルは、Geminiをさまざまなデバイスブランドに統合したり、特定の端末向けにGoogle One AI プレミアムを大幅に値引きしたりすることで、普及を促進している。
同社はさらに「かこって検索」のような一般的に利用される機能を拡張し、画像検索だけでなく、音楽の認識やテキストの翻訳、QRコードのスキャンなども可能にしている。ここで重要なのは、この機能が処理能力低くても動作可能なため、ほぼすべてのデバイスで利用できることだ。
さらに、グーグルのGeminiがApple Intelligenceに統合される可能性も噂されている。シャオミの端末へのGeminiの提供の拡大は、グーグルの支配力をさらに強めることになると考えられる。ただし、中国ではGoogle Playのサービスが制限されているため、シャオミのユーザーの大部分はグーグルのAI技術の恩恵を受けられない。