Tips

2025.01.12 08:00

「折り入ってご相談」の意味とは?ビジネスシーンでの使い方と類義語・言い換え表現を例文付きで徹底解説

「折り入ってご相談」の意味とは?

「折り入ってご相談」とは、「ぜひ真剣に聞いてほしい話題があるので、時間を割いて相談に乗ってもらいたい」という意図を伝える表現です。 ビジネスにおいて、上司や先輩、取引先などに通常の雑談レベルを超えた重要な話がある時、あるいは踏み込んだ内容の協議を求めたい場合に用いられます。 「折り入って」は「特別に申し込んで」「格別に」といった意味を持ち、「お忙しいところ大変申し訳ないけれど、真面目な話があるので耳を傾けてほしい」というニュアンスを強調できるのがポイントです。

日常のビジネスコミュニケーションで「話があるんですが」や「ちょっと相談がありまして」などと言うよりも、さらに改まった雰囲気が必要なときに使われます。 例えば、部下が上司に重要な案件の進退を相談したり、同僚へプロジェクトの大きな変更を提案したりするなど、相手が時間をきちんと確保してくれないとスムーズに話せないと思われる場面で、「折り入ってご相談があるのですが……」と話を切り出すわけです。


なぜビジネスシーンで使われるのか

真剣度・重要度が高い話であることを示すため

忙しい職場では、ちょっとした相談事だけでは後回しにされがちなことも多いものです。 そこで「折り入ってご相談」と表現することで、普通の雑談や軽い質問ではなく「相応の時間を取って、きちんと聞いてもらいたい内容」であると相手に示唆できます。 こうすることで、相手も「急ぎの要件かもしれない」と判断しやすく、話を聞く態勢を整えてくれる可能性が高まるわけです。

相手に敬意を払い、時間を取ってもらう申し訳なさを緩和するため

「折り入って」は、相手にとって手間や負担になるかもしれない相談を申し込むにあたって、「特別に時間をもらう」というニュアンスを盛り込んでいます。 単に「時間作ってください」と押し付けるのではなく、「あなたの時間を使わせてしまうことは重々承知だけれど、何とかお願いしたい」といった敬意や配慮が伝わるため、相手が快く応じてくれる確率が高まります。

ビジネスシーンでの使い方

上司への重要案件の相談

例えば、部下が大きな判断を要する問題を抱えたとき、上司に一対一の打ち合わせを申し込む際に「折り入ってご相談があるのですが、お時間いただけますでしょうか」と声をかけることがあります。 これにより、上司は「ただの業務連絡ではなく、深刻な相談や慎重な決断が求められるテーマだ」と認識し、落ち着いた場や十分な時間を準備してくれるでしょう。

顧客や取引先への提案・交渉の申し出

取引先に対して、新たな契約条件や大幅な仕様変更など「通常のやり取り以上に慎重な協議」が必要な場合に「折り入ってご相談があるのですが、お打ち合わせのお時間をいただけないでしょうか」と誘導する方法が考えられます。 こうして丁寧に切り出すことで、相手に「この件は重要であり、深い話がある」と受け止めてもらうわけです。

「折り入ってご相談」の注意点

多用すると形式的になりすぎるリスク

「折り入ってご相談」は、常に改まった印象を持つフレーズであるため、あまり頻繁に使いすぎると「この人はいつも大げさだ」と受け止められかねません。 ちょっとした打ち合わせ要請や、日常的な話題は「少しお時間よろしいですか?」くらいのカジュアルな依頼で十分です。 本当に重要度が高い場面でのみ使うのがバランスの良い選択となります。

会話の前提や状況をきちんと説明する

「折り入って相談がある」と言うだけでは、相手に内容が全く伝わりません。 相手が十分に理解できるよう、「◯◯の件について方針を決めたい」「新プロジェクトへの移行で不安があり、決裁が必要」といった背景や概要を示すことが重要です。 聞く側はある程度の心構えができ、話を受けやすくなるでしょう。

類義語・言い換え表現

「ぜひお時間をいただきたいのですが」

「折り入ってご相談」よりもライトな印象で、「時間をもらいたい」という意図を伝える表現です。 こちらは内容の深刻度がそれほどではないときや、単に雑談を超える程度の相談レベルで十分な場合に向いています。 相手に「面談したい」「しっかり話を聞いてほしい」と礼儀正しく誘う意味で活用できます。

「ご相談したいことがございます」

ややオーソドックスな敬語表現で、相手に相談を申し込みます。 「折り入って」は入っていませんが、丁寧な言い回しであるため、ビジネスメールや会話でそのまま使っても失礼になりません。 もし本当に急ぎや重大なテーマなら「◯◯に関してご相談したいことがございます。お忙しいところ恐縮ですが、お時間を頂戴できれば幸いです」と述べることで、相手に真摯な姿勢を示せます。

「差し支えなければご相談に乗っていただけるとありがたいです」

よりソフトに「無理に強いるわけではないが、可能なら相談させてほしい」と求める場合の表現です。 ただし、これだと「折り入って」という“本気度”がやや薄れるので、場合によっては気軽な依頼に見えてしまう恐れもあります。 仕事で本当に厳粛な相談なら、やはり「折り入ってご相談」がしっくりくるかもしれません。

例文:ビジネスで「折り入ってご相談」を使う場合

1. 上司への相談

「お忙しいところ恐縮ですが、折り入ってご相談がございます。 新規案件の進め方でいくつか懸念点が出てきたため、◯◯部長のお考えをうかがいたく存じます。 お時間をいただけませんでしょうか?」

この例文では、部長に深刻度の高い相談をするイメージが伝わります。 「折り入って」という表現が、ただの質問以上に「しっかり聞いてほしい」というスタンスを醸し出しているわけです。

2. 取引先への打ち合わせ依頼

「先日のご提案について折り入ってご相談がございます。 別途オンラインミーティングのお時間を頂戴できれば大変助かります。 来週以降のご都合をお知らせいただけますと幸いです。」

取引先に対し、「ただの連絡事項ではなく、踏み込んだ相談をしたい」ことを示唆しつつ、ミーティング日程を要請しています。 相手も「こちらもしっかり準備しなければ」と認識しやすい言い回しです。

使い分けのポイント

緊急度・重要度を踏まえた表現選び

「折り入って」は改まった印象を与える表現なので、案件の重要度や相手へのお願い度合いに見合った言い回しかどうかを判断して選択しましょう。 もし緊急度が高ければ、「至急お時間いただけませんか」とセットにして、より強く「急ぎの用件」であることを示す手段も考えられます。

理由や背景をざっくり伝えて了承を得る

相手も予定や段取りがあるため、いきなり「折り入ってご相談があるので時間ください」だけでは心構えが難しいかもしれません。 せめて「新しい商品ラインナップについて、戦略を再検討したく」など、概要を伝えたうえで相談する旨を伝えると、相手も具体的なイメージを持てるので協力が得やすくなるでしょう。


まとめ

「折り入ってご相談」は、通常の問い合わせや依頼よりも一段フォーマルな印象を与え、「特別に時間を割いてでも詳しくお話ししたい重要事項がある」と伝える際に重宝するビジネス表現です。 上司や取引先などに対しても、敬意を示しつつ真剣な姿勢を表せるため、深刻な課題解決や大きな判断を要するシーンで多用される傾向があります。

ただし、常に使えば良いわけではなく、軽い質問や短い相談にはやや大げさに聞こえるかもしれません。 相手の立場や相談内容の重大性に応じて「折り入ってご相談」「ご相談したいことがありまして」など言い回しを変えることで、円滑なコミュニケーションが期待できます。 また、相手の都合を尊重しつつ、「何について相談したいのか」を事前に短く述べることで、よりスムーズに話を受けてもらえるでしょう。

ビジネスの場では、伝え方ひとつで相手の受け止め方が大きく変わります。 「折り入ってご相談がある」と切り出す際には、“どれほど緊急度や重要度が高いのか”“背景や理由は何なのか”を含めて伝え、相手と合意を得たうえで落ち着いて話せる環境を作るのがポイントです。

ForbesBrandVoice

人気記事