高橋さんからのメッセージ「働くを楽しくを拡げる100年企業へ」
「働くを楽しく」を企業ビジョンとして掲げる私たちの変革のきっかけは、社員の働き方に対する価値観の変化と持続可能な成長への行き詰まりを実感したことにあります。かつての目標は売上最大化や市場競争力の強化であり、それによって社員の幸せを追求していましたが、社員の幸福度が企業業績に直結することを痛感し、私たちのアプローチに変化が必要だと気づきました。業績が良好であっても社員の大量離職が発生し、組織としての持続可能性に疑問符がついたのです。この気づきをきっかけに、社員一人ひとりが自部門の成績向上だけでなく、会社全体の成功に貢献する思考へとシフトしました。以前は個人や部門の成績を評価する制度や仕組みが、対立や争いの原因となっていましたが、組織全体のパフォーマンス向上という大きな目標に向かって、協力し合う文化が育ちました。
この変化は、経営陣のあり方にも影響を及ぼしました。以前は社員をどのように管理するかに重点を置いていた私も含め、経営陣の考え方が組織に大きな影響を与えることを深く理解しました。持続可能な組織を築くには、経営陣の考え方の変容が不可欠であるという認識を新たにしました。
私たちは、社員が仕事を楽しみ、互いに支え合い、全員が企業の大きな成功に貢献できる環境を目指しています。
参考:BE THE LOVED COMPANY REPORT 2.0(経済産業省近畿経済産業局)
経済産業省近畿経済産業局では、「人(社員)の幸せを中心に据えた経営」を実践する企業群の発掘と当該経営の共通項と再現性に向けた可能性の探求、当該価値観の機運醸成を図るべく、55社の中堅・中小企業のご協力のもと、(1)中小企業8社の人的資本経営と企業価値との関係性の解像度の向上、(2)他社との対話を通じ、自社の人・組織作りに向き合う機会の創出、(4)各社の人的資本経営と主体的な社員が育つ取組の体系化を行い、社員の幸せを目的とした組織行動とその価値創出との相関にかかる「愛される会社」の価値転換モデル(概念図・案)を取りまとめた、「BE THE LOVED COMPANY REPORT 2.0」を発表しました。
本稿は本レポートの内容を一部抜粋の上、再編集したものです。