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使用済みエアバッグと駆除された鹿で作るエシカル商品

プレスリリースより

強靱なエアバッグの生地としなやかな鹿革で作られた、頑丈でおしゃれな巾着が誕生した。廃棄されるエアバッグ生地のアップサイクルと、「害獣駆除」で発生した鹿革の有効利用という地域課題解決に根ざした製品になっている。

トヨタ自動車創業者の豊田喜一郎氏は、1934年、自動車事業進出の準備として自動車製造に欠かせないゴムを研究する部門を社内に創設した。そこからスタートし、やがて企業として独立した豊田合成は、自動車用樹脂製品などの開発製造を行ってきたが、近年、製造過程で廃棄される材料の有効利用を目的に「Re-S」(リーズ)というエシカルブランドを立ち上げた。その主要材料のひとつがエアバッグ生地だ。

エアバッグは非常に強靱な生地で作られるが、検査基準が厳しいため、性能に問題はなくとも、ほんの少しの汚れやほつれで廃棄されてしまうものがある。そのエアバッグ生地を、やわらかい鹿革と組み合わせた巾着を開発し、このたびクラウドファンディングを開始した。

使用される鹿革は、年間60万頭も「害獣」として駆除される鹿のものを活用している。それを、皮革製品のハンドメイドブランドKagaribiが藍染めによる独特な風合いの素材に加工し、エアバッグ生地と合体させた。材料となる鹿の革は、兵庫県たつの市産のなめし革。同市は、環境負荷をできる限り抑えた技法で、駆除された野生動物の革を加工し全国に出荷している。鹿の場合、革として利用される割合はわずか9パーセントとのこと。Kagaribiは、動物の皮を余すことなく製品化して全国に普及させることで、野生動物の適正個体数が保たれ自然環境が維持されると話している。

Re-SとKagaribiは、ともに地域課題の解消を目指す者同士としてクラフト展示会で知り合った。互いにミシンでサンプルを作りつつ、コラボを「じりじり進行」させていたが、やがて巾着というアイデアに辿り着き、このデザインが生まれた。

巾着は、底の部分がエアバッグ生地、上半分が藍染めの絞り染めを施した鹿のなめし革だ。ヒモはパラシュートに使われるパラコード。鹿革は耐久性が高く、絞り染めは時間とともに藍が革に馴染み、落ち着いた趣に変化するということだ。

現在はMakuakeにてクラウドファンディング中。応援購入価格は1万3500円(税込)。All in型なので、目標額に到達しなくても出資者にはリターンとして商品が発送される。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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