キノコで財布をつくる サステナブルなマッシュルームレザー

プレスリリースより

動物の革を使わず植物を原料にしたビーガンレザーの開発が世界で進められているが、日本でもリンゴなどを使ったビーガンレザーが作られている。そのひとつとして、長野県特産のキノコを使ったマッシュルームレザーの財布が登場した。この財布には、イタリア産の牛のなめし革と国産のピッグスエードも使われている。それではヴィーガンじゃない、と言いたくなるだろうが、メーカーは「動物の革がサステナブルであることを伝えたい」と主張する。なぜだろう。

「ミニマルな革製品」の製造販売を行うSYRINX(シュリンクス)は、キノコから作られたマッシュルームレザーを使った小型の財布「Hitoe Fold Aria -Mushroom-」(ヒトエ・フォールド・アリア・マッシュルーム)を発表した。使われているのは、長野県でキノコの菌糸体「マイセリウム」からヴィーガンレザーを作っているMYCL Japanの製品。染色や着色は行わず、化学物質の使用を極限まで削減しているという。

しかし、植物由来のヴィーガンレーザーは、今の技術では動物の皮革の特性を再現するのは難しく、プラスチックで補強されているものが多いという。そこを隠してサステナビリティーを強調するメーカーもあり、むしろ環境に悪い結果になっていると同社は指摘する。

そこでSYRINXは、環境負荷の少ない皮革を使用した。イタリアのトスカーナ地方で「14世紀から脈々と受け継がれてきた植物タンニンなめし」によって作られた牛革と、国産のピッグスエード。どちらも食肉産業の廃棄物として出されるものだ。畜産による環境問題も考慮したうえで、「いただいた命の副産物である皮をアップサイクルした革は、命に対する真摯なリスペクトであり、食肉消費と地球環境の保全を両立するために欠かせぬ存在です」と語る。
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金属は使用されておらず、約36グラムという軽さ。最大で紙幣15枚、コイン20枚、カード6枚を収納できる。すべてのパーツは薄い革を2枚貼り合わせた「無双仕立て」という皮革製品では「最高の贅沢」とされる手法を用い、周囲は革を巻き込んで縫うことで薄さを実現した。縦横比には黄金比を応用するなどデザインもこだわった仕上げの高級財布だ。

現在、SYRINXのオンラインショップにて予約を受け付けている。価格は4万4000円(税込)。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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