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気候・環境

2024.10.27 15:00

「屋根を白く塗る」と猛暑時に人命が救われる、研究結果

白い建物が並ぶギリシア・サントリーニ島のイア地区(shutterstock)

建物の屋根を白などの反射率が高い色で塗ると、景観が美しいだけでなく、実際に猛暑時には人命を救う可能性がある。最近の研究によると、すべての住宅が屋根を白で塗装して(クールルーフと呼ばれる)、屋上に太陽光パネルを設置すれば、気候変動への対応策として機能し、猛暑に見舞われた2018年夏のロンドンでは345人の命が救われた可能性があるという。

「都市部の建造環境は地表のエネルギー収支を変え、それによって都市は近隣の郊外とは異なる独自の気候を持つようになります。通常、これは都市部の、特に夜間の気温上昇につながり、都市部におけるヒートアイランド現象として知られています」と研究者は説明する。「これは重要なことです。なぜなら、英国では人口の83%が都市部に住んでいるからです」

「2018年の夏(6月、7月、8月)は、イングランドで記録上最も暑くなりました。イングランド南部の多くの地域では、平均気温が1981〜2010年と比べて2℃近くも高くなり、公式に記録された最高気温は7月27日の35.6℃でした」と研究者たちは指摘している。「この期間における暑さに関連する死者の数は655〜920人と推定されますが、我々の研究によると、すべての建物に太陽光発電設備が設置されていれば96人(12%)、屋根を白などの反射率の高い色で塗るクールルーフが導入されていれば249人(32%)、減少した可能性があることがわかりました」

さらに研究者たちは、暑熱に関連する死亡者と生産性低下による経済的損失を、屋上太陽光発電設備とクールルーフによって、それぞれ最大で2億3700万ポンド(約468億円)と6億1500万ポンド(約1216億円)、削減できる可能性があると推定している。

暑い夏の日中に、白い屋根は陽光を宇宙空間へ反射させて熱の吸収を防ぎ、生活空間などの室内を涼しく保つ。実際、都市のすべての建物の屋根が白く塗られていたら、それによって都市部の気温を平均0.8℃ほど下げることができる。また、すべての建物の屋上に太陽光パネルを設置すれば都市の気温を0.3℃下げることができる。
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翻訳=日下部博一

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