上場企業の株価が下落することで利益を得る空売り投資で知られれるヒンデンブルグは、1万5000語以上に及ぶ長文のレポートで、ロブロックスに対する一連の疑惑を提示した。それによると、ロブロックスはユーザーの滞在時間や日次アクティブユーザー数といったデータを「大幅に誇張している」という。
また、さらに衝撃的なことに、ロブロックスは「X指定のペドフィリアの地獄絵図」を許容しているとされ、プラットフォーム上で「児童ポルノの取引や子供との性的ロールプレイを求めるリクエスト」が発見されたとヒンデンブルグは報告している。
これを受け、ロブロックスの株価は米東部時間8日の取引開始時に9.4%急落し、8週間ぶりの安値となる37.51ドルをつけたが、その後は回復し、午後早くには約4%の下落にまで値を戻した。
ロブロックスの広報担当者は、ヒンデンブルグの報告が「単に誤解を招くものだ」と述べて、同社が「安全かつ安心なプラットフォーム」であることや、報告している財務指標に強い自信を持っていると反論した。
ヒンデンブルグは、ロブロックス上のいくつかの不穏なゲームにアクセスしており、その中には有罪判決を受けた性犯罪者のジェフリー・エプスタインに関連するゲームの『Escape to Epstein Island』や、複数の性犯罪容疑で連邦刑務所に収監中のショーン・“ディディ”・コムズに関連するゲームの『Run From Diddy Simulator』などが含まれると主張している。
ヒンデンブルグはこれまで、決済企業のBlock(ブロック)や水素自動車企業のNikola(ニコラ)、インド人富豪のゴータム・アダニが率いるアダニ・グループなどを空売りのターゲットにしてきた。
フォーブスは、カリフォルニアに拠点を置くロブロックスを2004年に共同創業したCEOのデイビッド・バズーキの保有資産を27億ドル(約4000億円)と試算している。彼の資産は8日に約1億5000万ドル(約222億円)減少した。
2021年に上場したロブロックスの時価総額は、8日時点で約250億ドル(約3兆7130億円)だったが、これは2021年末のピーク時の750億ドル(約11兆1400億円)以上の時価総額の3分の1に過ぎない。同社の株価は、コロナ禍の恩恵を受けた他の企業と同様に、ここしばらくは低迷している。
(forbes.com 原文)