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2024.09.06 10:15

アートとビジネスの越境:創造性と独自性で切り拓く米国アーティストの挑戦

Kevin Heisner(ケヴィン・ハイスナー)

今年の夏、ニューヨークと大阪で印象的なアート作品にあった。

AR、3Dプリンター、AIとの融合を行いつつ、伝統的なアートとして油絵、彫刻として見応えある作品を作るアーティストだ。彼の名前は Kevin Heisner(ケヴィン・ハイスナー)。ストリートアーティストとしては Shlumperとして活躍する彼は実はシカゴで20店舗をオーナーするビジネスパーソンとしての顔も持つ。

アーティストでありビジネスパーソンである彼はどのようにして生まれたのか?

彼を取材していくとそこには「意図的なアートとビジネスの融合」は見えず、自分が興味を持つことの延長線上にあるものがアートとして昇華されたり、ビジネスという形態で現れるという自然体の人物がそこにはいた。「創造性と独自性(クリエイティビティ & ユニークネス)をすべての中心と捉えて活動する」と語るケヴィンにはアートとビジネスの垣根は、無い。

まず、現在のアートとビジネス、双方の活動内容を教えてもらった。

ケヴィン・ハイスナー(以下ケヴィン):まず私のアーティストとしての活動を紹介します。アメリカと日本の両国で多くの活動が始まっています。この春には、ニューヨークで個展やグループ展を含む、いくつかの展示を行いました。その中でも特に印象的だったのが、マンハッタンのロウアーイーストサイドにあるShin Gallery*で行われた「Sink or Swim」というインタラクティブな壁画です。この作品はパレイドリア(Pareidolia:視覚刺激や聴覚刺激を受け取ったときに、自分が普段からよく知っているものが見えたり、思い浮かべてしまうという知覚現象)に基づいており、鑑賞者は波模様の中に新たなキャラクターやシンボルを見つけ出せます。また、赤と青の3Dメガネを使用してARと3D効果を取り入れ、平面のキャラクターが命を授かったように見せる工夫もしています。この秋には、Shin Gallery ギャラリー内での展示も予定しています。Shin Galleryが新進気鋭のアーティストを支援してきたことに大いに感銘を受けており、そのプログラムに参加できることを光栄に思っています。

日本では、2024年夏開催のArt Osaka 2024でソロインスタレーションを斯波雅子さんと共同設立した非営利団体BEAF**(Brooklyn Experimental Art Foundation ブルックリン実験アート財団)として出展しました。Art Osakaのような商業的なアートフェアで作品を販売することで、非営利団体(501(c)(3))であるBEAFの資金を調達するという新たなアプローチを行いました。BEAFでは、サポートするアーティストや組織の運営に新しい機会を創出する革新的な方法を模索しています。

またBEAFとして、CAF(Contemporary Art Foundation / 現代芸術振興財団)からの助成金を受け、アーティスト・レジデンシープログラムを開始しました。ブルックリンの我々の拠点に日本のアーティスト高橋銑さんをお招きし、ニューヨークの美術関係者、特にアーティストとの交流を行うことにより彼のアーティストとしての成長の一助を担う経験は、非常にやりがいのあるものでした。
(*Shin Gallery 関連記事:https://forbesjapan.com/articles/detail/72267/
**BEAF/斯波雅子 関連記事:https://forbesjapan.com/articles/detail/69403
 
ART OSAKA 2024 Expandedセクション 撮影:待夜由衣子

ART OSAKA 2024 Expandedセクション 撮影:待夜由衣子

Kevin Heisner(ケヴィン・ハイスナー)氏のミューラル @ Shin Gallery NYC

Kevin Heisner(ケヴィン・ハイスナー)氏のミューラル @ Shin Gallery NYC

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