米国と世界の高温化が陰りを見せないなか、暑さによる疾患は誰にとっても現実的な脅威でありとりわけ子ども、妊婦、既往歴のある高齢者にとっては危険性が高い。特に深刻な疾患としては、熱中症の病態である熱疲労と熱射病が挙げられる。
熱疲労は、異常高温と発汗のために大量の水分と塩分を失い、身体が適切に体温を下げられなくなった状態だ。熱疲労の症状としては微熱、筋肉の痙攣、頭痛、疲労感、全身のだるさなどがある。
熱射病は命にかかわる疾患であり、身体の熱調整システムが異常高温に対処できなくなった状態を指す。熱中症患者は一般に、40度以上の高熱や精神状態の変調(意識混濁や興奮など)といった症状を示し、発作や昏睡に至ることさえある。
では、こうした疾患を発症しないための予防策には、どんなものがあるのだろう?
予防する上で何よりも重要なのは、十分な水分をとることだ。高温環境では、発汗によって身体から水分が奪われる。熱疲労の最大原因である脱水症状を避けるためには、水分補給が不可欠だ。
米疾病予防管理センター(CDC)は、高温の野外で活動する際には、20分ごとにコップ1杯(約230ml)の水を飲むことを推奨している。高温時には、喉が渇いていなくてもたっぷり水を飲むことを心がけよう。喉の渇きを感じたときには、すでに補水が間に合っていない状態である可能性が高い。