2024.08.07 08:00

「五輪の真の勝者」はパリ 観光客20%増、ホテル稼働率は80%

Antonin Albert / Shutterstock.com

議論になっているのは、観光客がどこでお金を使うかだ。ディズニーランドでは、この時期にしては乗り物の待ち時間が例年より短いようだが、これはオリンピックだけのせいではない。タクシーや送迎車の運転手は、期待していたほどに仕事につながっていないことに不満を漏らしている。
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観光客は競技が行われる地域にお金を落としているとブルームバーグは報じている。そうした地域の多くはフランスで最も貧しい地域の一部であり、郊外にある店は恩恵を受けている。普段は観光客が訪れない地域に富をばらまくという、オリンピック主催者の狙い通りになっている。

当局によると、飛行機でパリ入りした人の数は8%増加し、45万600人に達した。しかもこうした観光客は財力があり、購買力が高い。最も多いのは米国からの観光客で、13万2000人と国際便の旅行客の29%を占めている。以下、カナダ人、日本人、ドイツ人、スペイン人の順で多い。中国からの旅行客は109%増、日本からは42%増と需要は大きい。

開幕前、パリのホテルが満室にならず、当初値上げしすぎたと騒がれていたが、7月24日〜8月8日までのホテルの稼働率は80%を超えており、1泊平均324ユーロ(約5万1600円)で昨夏より24%高いという。ホテル業界組合(UMIH)によると、8月最初の週末の稼働率は90%近くに達したとみられる。
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同期間中、家具付き・家具なしの貸し出し物件の1泊平均料金は234ユーロ(約3万7300円)で、昨夏より40%高い。Airbnb(エアビーアンドビー)などの民泊プラットフォームで物件を貸し出している多くの家主が、わずかながら「棚ぼた」を手にしたことになる。

セーヌ川沿いで行われた開会式には35万8500人の人出があった。このうち62%は外国からの観光客で、残り38%の3分の2はパリ地方からの観光客だった。

つまり、パリは2つの勝利を手にしたようだ。まず、大会期間中の観光客の増加が挙げられる。そして、これまでのスポーツの成果はさておき、今回のオリンピックで大当たりなのは、アスリートによるTikTokへの投稿と全競技の見事な会場だ。目にした者が次の休暇でどこを訪れようか考えるとき、こうしたすばらしい風景が頭に浮かぶだろう。光の都、パリが真の勝者だ。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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