布川友也は2019年5月、ログラスを設立。同社は「良い景気を作ろう。」をミッションに、クラウド経営管理システム「Loglass」シリーズを展開。企業内に散在する財務数値/KPIの予算や見込み、実績といった経営データの収集・統合・一元管理を効率化し、高度な分析を実現する「Loglass 経営管理」を主軸として、IT投資管理や販売計画、人員計画、BPO・コンサルティングといったサービスを提供している。
SaaSスタートアップへの投資に特化したVCであるALL STAR SAAS FUNDは、シードラウンドからログラスに出資し、リード投資家として支援している。同ファンドのマネージングパートナーである前田ヒロが投資した理由とは。
前田:最初の印象はすごくエネルギッシュな人物。「僕は勝ちに行くんだ」という熱意と、経営管理業務の課題に対する深い理解度に魅力を感じて、すぐに投資したいと思いました。
布川:初めて丸の内でお会いしたとき、その場で「5000万円出すよ」と言われて正直、「こんなことが本当にあるんだ」という気持ちでした。19年3月の当時、ビジネスアイデアは決まっていたけれど、まだ会社は登記していなかった状態。あのとき意思決定いただいてなかったら、今のログラスはなかったかもしれません。
前田:創業時の投資の判断材料って「人」しかないんです。僕が重視しているのは、考え抜く力をもっているか。プロダクトのロードマップや、競合が参入してきたらどうするかなど、いろんなシナリオをぶつけて、布川さんは精緻に答えてきた。それからもうひとつ、成長に対しての意欲という観点では、会った瞬間に伝わってきました。その勝ちにこだわる姿勢はどこから来ているんですか。
布川:勝ちたいと強く思うようになったのは新卒入社した投資銀行時代からですね。僕は1年目の評価が下位10%くらいでダメダメだったんです。同期はみんな優秀で、外国出身の人も多くて、すごい競争心をもっていた。悔しくて、頑張って2年目は上位10%に入るくらいの成果を出せたのですが、それでも絶対に勝てないと思う人がいた。そこで違う方向でトップになりたいと思って起業家になった側面はあります。僕は劣等感ドリブンなんですよ。
前田:それが根っこにあるのですね。