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2024.07.31 13:30

「勝ち癖」でクラウド経営管理のトップランナーへ

布川:よく温泉やサウナに行くと、テレビに野球の大谷翔平選手が映るじゃないですか。みんな「大谷は本当にすごい」って言うけれど、僕は同年代の人がこんなにすごい活躍をしているのを見て悔しいって思うんです。優秀な起業家を見たときもそう。だから、お客様に価値を提供できているかということにすごくこだわっていますし、それを達成したうえで、自分たちのエントリーしているマーケットで少なくともトップランナーにならなければいけないという強い意志をもっています。

前田:勝ちにこだわる姿勢や「勝ち癖」をつけようとするカルチャーが社内に浸透していますよね。一つひとつの取り組みを最高レベルにしていこう、期待を超えていこうという意識で働いている方が非常に多い。

布川:「勝ち癖」というのは、負けたことに言い訳しないことだと思っています。例えば、営業って受注率10~20%くらいの世界で、100回勝負したら80回くらい負けるものですよね。ただ、そのときに言い訳すると次も勝てない。目の前の現実を直視して、毎回をきちんと振り返りPDCAを回していく癖をつけることが勝ちにつながると思っています。

前田:そうやって手を打つと、目に見えて数字も改善しますよね。布川さんたちの経営をずっと見てきて、99.9%は最適な判断をしていると思っています。22年4月のシリーズA は、J-KISS(有償新株予約権によるコンバーティブル・エクイティ)で17億円という異例のファイナンスでしたが、期待を超える結果を出していて、今後も判断ミスをすることはないだろうと確信をもっていたからリード投資ができました。

布川:ログラスは社員数が今150人くらいになっていて、上場してもおかしくないような事業規模になってきています。経営管理の領域でCFOや経営企画向けのサービスを提供してきましたが、今年2月には採用計画などを管理できるHR関連の「人員計画」というサービスをローンチするなど、今後はサプライチェーン、マーケティングといったすべての部署のプランニング&アナリティクス業務をカバーしていくことで、経営計画はすべてログラスで管理できる世界観を目指していきます。

前田:成長に貪欲で負けず嫌いで居続けていてくれれば僕はハッピーです。評価額1000億円以上になるポテンシャルがあると思っています。長い目線で応援していきたいですね。


まえだ・ひろ◎ALL STAR SAAS FUNDマネージングパートナー。スタートアップ育成プログラム「Open Network Lab」の共同設立、BEENOSインキュベーション本部長、グローバルファンド「BEENEXT」設立を経て現職。主な投資先はSmartHRなど。

ふかわ・ともや◎ログラス代表取締役CEO。慶應義塾大学経済学部卒。SMBC日興証券の投資銀行部門でM&Aや投資先IPOアドバイザリー業務に従事。その後、GameWithの経営戦略室でIR、投資、経営管理などを担当。2019年5月にログラスを創業。

文=眞鍋 武 写真=平岩 享

この記事は 「Forbes JAPAN 2024年8月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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