北米

2024.07.12 15:30

資産額100億ドル超「大富豪の45家族」史上初。米デカビリオネア一族ランキング

6位 プリツカー

純資産:416億ドル
資産の源泉:ホテル、投資
家族構成:少なくとも82人

ハイアット・ホテルの一族の第3世代には、元米国商務長官のペニー・プリツカー、J・B・プリツカー・イリノイ州知事、映画『タミー・フェイの瞳』(2021年)のプロデューサーであるジジ・プリツカー、ハイアット・ホテルの現会長であるトム・プリツカーなど10人のビリオネアがいる。ハイアットは創業者ジェイ・プリツカーが、1957年にロサンゼルスでモーテルを購入し、設立した。

7位 ジョンソン

純資産:385億ドル
資産の源泉:S.C.Johnson
家族構成:少なくとも70人

化粧品、スキンケア用品などを扱うエスティローダーは、サミュエル・カーティス・ジョンソンは1886年に寄せ木細工のフローリング会社を買収し、その2年後に床用ワックスを開発した。今日、SCジョンソンは、ウィンデックス、シャウト、ジップロック、レイドなどのブランドを所有。一族は現在も112億ドル(推定売上高)の非公開企業を完全支配している。創業者のひ孫ハーバート・フィスク・ジョンソンIIIが会長兼CEOを務めている。

8位 キャシー

純資産:336億ドル
資産の源泉:Chick-fil-A
家族構成:少なくとも47人

創業は1967年。S・トゥルエット・キャシー(2014年没)がアトランタのショッピングモールにフライドチキンチェーン、チックフィレの最初の店をオープンした。全米に3000店舗以上を展開。現在、21年に父ダンの後を継いでCEOに就任した孫のアンドリューによって運営されている。伝統的に日曜日が定休日だが、場所により週7日提供を義務付ける州法案が可決されれば、影響されるケースも出てきそう。

9位 ダンカン

純資産:300億ドル
資産の源泉:石油ガスパイプライン
家族構成:少なくとも13人

ダン・ダンカン(2010年没)は1968年、1万ドルと数人のパートナーで石油ガスパイプライン会社エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズを立ち上げた。以来、パイプライン約8万km、年間売上高580億ドルを超える企業に成長。ダンが4人の子どもに残した財産は、配当と株価の高騰のおかげで、彼の死後3倍になった。長男ランダ・ダンカン・ウィリアムズは、2013年から取締役会の議長。

10位 コックス

純資産:268億ドル
資産の源泉:メディア
家族構成:少なくとも37人

メディア大手コックス・エンタープライズは、コックス・コミュニケーションズ(ケーブルテレビ、インターネットプロバイダ)、コックス・オートモーティブ(自動車オークション、卸売りサービス、金融サービス)のほか、アトランタ・ジャーナル・コンスティテューションなどの新聞社を傘下に持つ。CEOのアレックス・テイラー(49)は現在221億ドル(売上高)の同社を率いる同族4代目である。

11位 ローダー

純資産:259億ドル
資産の源泉:エスティローダ
家族構成:少なくとも20人

化粧品、スキンケア用品などを扱うエスティローダーは、1946年創業。現在、一族ではないファブリツィオ・フレダCEOが率いているが、創業者のエスティとジョセフ夫妻の子どもや孫のうち少なくとも6人が、5つの取締役などの役職に就いている。株価は過去12カ月間に50%急落。アジアでの業績不振により、2023年11月に予想を下回る決算を発表した結果、株価は6年ぶりの安値に達した。

12位 ハント

純資産:248億ドル
資産の源泉:石油
家族構成:100人以上

一族の家長であり、石油試掘者であったH・L・ハント(1974年没)は、1970〜80年代の大ヒットテレビシリーズ「ダラス」の登場人物J・R・ユーイングのモデルだといわれている。息子のレイ・リーとW・ハーバートはそれぞれハント・オイルとペトロハントを所有している。H・Lの息子ラマー(2006年没)の子どもたちは、NFLのカンザスシティ・チーフスを所有している。

13位 ニューハウス

純資産:241億ドル
資産の源泉:コンデナスト
家族構成:少なくとも24人

サミュエル・ニューハウス(1979年没)が1922年にニューヨーク州スタテンアイランドの日刊紙を買収して創業。息子のドナルドとサミュエル・“Si”・ジュニア(2017年没)は、出版社コンデナストと親会社アドバンス・パブリケーションズを継いだ。現在はドナルドの息子スティーブンとマイケル、Siの息子SiIIIがアドバンスの共同社長、ドナルドとSiのいとこのジョナサンがコンデナスト会長を務める。

14位 ハースト

純資産:224億ドル
資産の源泉:ハースト・コーポレーション
家族構成:少なくとも67人

ウィリアム・ランドルフ・ハーストは、1887年、23歳のときに日刊紙「サンフランシスコ・エグザミナー」を買収し、多くの出版物を手に入れた。ウィリアムは映画『市民ケーン』の主人公のモデルとしても知られる。現在、118億ドル(2022年の売上高)のハースト・コーポレーションは、孫のウィリアムが会長を務め、200の雑誌、76の新聞、35のテレビ局、格付け会社フィッチなどを所有する。

15位 ブッシュ 

純資産:200億ドル
資産の源泉:アンハイザー・ブッシュ
家族構成:少なくとも21人

バドワイザーを主力とするビール会社アンハイザー・ブッシュは1852年の創業。一族は2008年、ベルギーのインベブによる敵対的買収によって残りの株式を売却せざるをえなくなった。創業者アドルファス・ブッシュのひ孫であるビリー・ブッシュは、自身のクラフトビール醸造所を経営。その息子オーガストと娘ヘイリーは、ABキャピタルを通じて不動産投資を行っている。
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編集=マット・デュロ & アンドレア・マーフィー 文=リチャード・J・チャン、グレース・チュン、マット・クレイグ、ジェマイマ・マケヴォイ、エイミー・フェル ドマン、クリス・ヘルマン、モニカ・ハンター=ハート、ジョン・ハイアット、フィービー・リウ、デビン・マーティン、チェイス・ピーターソン=ウィソーン、クロエ・ソルヴィーノ、ジャコモ・トニーニ、ジジ・ザモラ

この記事は 「Forbes JAPAN 2024年7月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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