北米

2024.07.12 15:30

資産額100億ドル超「大富豪の45家族」史上初。米デカビリオネア一族ランキング

26位 ジョンソン

純資産:160億ドル
資産の源泉:J&J、ニューヨーク・ジェッツ
家族構成:少なくとも8人

ニューヨーク・ジェッツは55年間スーパーボウルで優勝したことがない。しかし、製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)で財を成した一族にとって、このチームは絶好の投資先となっている。トランプ政権下で駐英アメリカ大使を務めたロバート・“ウッディ”・ジョンソンIVは、2000年に6億3500万ドルで同チームを買収。現在、その価値は推定56億ドル(負債控除後)となっている。

27位 マイヤー

純資産:159億ドル
資産の源泉:スーパーマーケット
家族構成:少なくとも18人

ヘンドリック・マイヤーは1934年、ミシガン州に最初の食料品店をオープン。1962年には息子のフレデリックとともに、デパートと食料品店をひとつの建物に併設したスリフティ・エーカーズの最初の店をオープン。ショッピングセンターのパイオニアとなった。現在、中西部で240以上の店舗を運営。フレデリックの息子ハンクは、エグゼクティブ・チェアマン。彼の兄弟2人が取締役を務める。

27位 マリオット

純資産:159億ドル
資産の源泉:ホテル
家族構成:少なくとも100人 

J・W・マリオット(1985年没)が世界最大の「モーターホテル」をオープンし、宿泊業に乗り出したのは1957年のこと。マリオット・インターナショナルは、敬虔なモルモン教徒の一族が現在も株式の16%を所有し、ウェスティン、シェラトン、ザ・リッツ・カールトン、セントレジスなど30以上のホテル名で8700軒近いホテルを運営している。創業者の孫のデイビッドが2022年から会長を務めている。

27位 ストライカー

純資産:159億ドル
資産の源泉:医療機器
家族構成:少なくとも11人

整形外科医ホーマー・ストライカー博士(1980年没)が、患者の体位変換を可能にする病院用ベッドを発明し、1941年にストライカー社を設立した。医療機器と整形外科用インプラントの世界最大手のひとつ。2022年の売上高は184億ドルに達した。ホーマーの孫娘ロンダ・ストライカーは取締役に名を連ね、きょうだいと共に推定10%の株式を保有。整形外科手術の増加で、株価は2020年以降36%高騰。

30位 クラウン

純資産:147億ドル
資産の源泉:軍事、投資
家族構成:少なくとも24人

高校を中退したヘンリー・クラウン(1990年没)は、1919年に砂利、石炭、石灰の供給会社を設立し、1959年にビジネスジェットや戦車などの軍備の製造などを行うゼネラル・ダイナミックス社と合併した。彼の子孫は現在も会社の株式の10%(71億ドル相当)とJPモルガンの株式を所有し、コロラド州のアスペンやユタ州のディア・バレーなど20のスキーリゾートも所有または共同所有する。

31位 ハスラム 

純資産:144億ドル
資産の源泉:クリーブランド・ブラウンズ
家族構成:少なくとも33人

トラック用サービスエリアの会社パイロット・フライングJは、1958年にジェイムズ・ハスラムが創業。息子のジミーとビルは、2017年にパイロットの39%を28億ドルで、23年1月に41%を82億ドルで、今年1月に残り20%をバークシャー・ハサウェイに売却した。ジミー夫妻はNFLのクリーブランド・ブラウンズを所有し、元テネシー州知事のビルは23年、NHLナッシュビル・プレデターズの少数株を取得した。

32位 チャオ

純資産:142億ドル
資産の源泉:石油化学製品、建築資材
家族構成:少なくとも21人

T・T・チャオ(2008年没)は、家族を台湾から米国に移住させ、1986年にヒューストンを拠点とする石油化学製品、建築資材の会社ウエストレイク・コーポレーションを設立した。特に、配管用PVCパイプ、バッグや包装に使用されるプラスティックでは、大手メーカーとなっている。一族は128億ドル相当の株式の73%を所有。2004年からは、息子のジェームズが会長、アルバートがCEOを務めている。

32位 ロリンズ

純資産:142億ドル
資産の源泉:害虫駆除
家族構成:少なくとも10人

大恐慌時代の農家の息子だったウェイン(1991年没)とジョン(2000年没)のロリンズ兄弟は、1948年に地方ラジオ局を設立し、財を成した。1964年、兄弟は害虫駆除会社オーキンを6200万ドルで買収、成功した。オーキンは、一族が所有する上場企業ロリンズの礎となっている。ウェインの息子ゲーリーは2023年にCEOを退き、会長職にとどまっている。一族は現在も会社の40%近くを所有する。

34位 メロン

純資産:141億ドル
資産の源泉:銀行業
家族構成:少なくとも200人

アイルランド移民のトーマス・メロン(1908年没)は、裁判官の収入で不動産投資を行い、1869年にT.メロン&サンズ銀行を開業。息子アンドリュー(1937年没)は、アルコアやガルフ・オイルの前身に投資して一族の資産を急増させ、1921〜32年まで税務長官を務めた。2023年、アンドリューの孫で共和党の大口寄付者ティモシーは、ロバート・F・ケネディ・ジュニアに500万ドルを献金した。 

35位 ヒューズ

純資産:138億ドル
資産の源泉:レンタル倉庫
家族構成:少なくとも12人

米国では、200万人近くが家に入りきらないほどの物を溜め込んでいる。B・ウェイン・ヒューズ・シニア(2021年没)はこうした過剰消費に乗じてパブリック・ストレージを共同設立。40の州と8カ国に3000カ所の倉庫を構える。ウェインの2人の子どもタマラ・グスタブソン(同社取締役)とB・ウェイン・ヒューズ・ジュニアは時価総額500億ドルの企業の推定13%を所有している。
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編集=マット・デュロ & アンドレア・マーフィー 文=リチャード・J・チャン、グレース・チュン、マット・クレイグ、ジェマイマ・マケヴォイ、エイミー・フェル ドマン、クリス・ヘルマン、モニカ・ハンター=ハート、ジョン・ハイアット、フィービー・リウ、デビン・マーティン、チェイス・ピーターソン=ウィソーン、クロエ・ソルヴィーノ、ジャコモ・トニーニ、ジジ・ザモラ

この記事は 「Forbes JAPAN 2024年7月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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