宇宙

2024.07.01 18:00

「天の川」と流れ星、珍しい惑星食も見られる7月の夜空

スペイン・ポルマ貯水池から見た天の川と流れ星(Samuel de Roman/Getty Images)

天体観測ファンにとって、7月はイベント満載の月だ。第1週の息をのむような天の川の光景から、西の地平線に輝く美しい三日月、さらには月がスピカを隠す珍しい恒星食まで楽しむことができる。7月21日の満月「サンダームーン」や7月30日頃にピークを迎えるみずがめ座δ(デルタ)流星群も見逃せない。

7月の星空観賞と天文について知っておくべきことを以下に記す。

1. 天の川

時期:7月第1週
場所:南東

7月と8月は、北半球で天の川を見るのに最適な時期だ。多くの人がこの事実を知っているが、最高の観測のためには、この2カ月の間で月が暗い10日間を選び、さらに日没後に光害がない視界の開けた場所へ行く必要があることを知らない人は多い。7月の第1週がその時期にあたる。天の川は南東の空で最も明るくなる。

天の川(Shutterstock.com)

天の川(Shutterstock.com)

2. 美しい三日月

時期:7月7日(日)から7月10日(水)
場所:西の地平線の上

この4日の間、続けて西の空を見ていると、細く美しい三日月が、地球を周回する軌道上で毎晩太陽から遠ざかっていくにつれて少しずつ太っていく。7月7日の月はわずか2%しか照らされておらず、双眼鏡と忍耐、そして地平線近くまで開けた視界が必要となる。翌日からはずっと見やすくなり、月のすぐ下に水星もある。月曜から水曜にかけては、月の暗い側に太陽の光が地球の海や氷冠に反射して月面を照らす現象である「地球照」も見ることができる。

3. 月がスピカを隠す

時期:7月13日(土)と14日(日)
場所:南西の夜空(北中米のみ)

夏の夜空で最も明るい星の1つであるおとめ座の一等星スピカが、北米および中米で月に隠される。In-The-Sky.orgによると、東部夏時間7月13日21時40分から14日00時58分まで、スピカが上弦の月に掩蔽(えんぺい)されるスピカ食が起きる(訳注:日本では8月10日の夕刻、東北地方以南)でスピカ食が見られる)。

4. 「サンダームーン」の満月が昇る

時期:7月21日(日)
場所:東の地平線

2024年で7回目、北半球の夏では2回目の満月となるサンダームーン(雷の月)は7月21日(日)に昇り、輝面比は100%になる。正確な満月の瞬間は日本時間19時17分だ。7月の満月は「バックムーン(牡鹿の月)」とも呼ばれる。

5. 月が土星と接近

時期:7月24日(木)深夜から25日(金)にかけて
場所:西の空

7月24日から25日の明け方にかけて月が土星と大接近する。24日には輝面比78%の欠けていく凸月(半月と満月の間)のすぐ左側に土星があり、25日にはやや細くなった月が土星の左下にくる。アジアとアフリカの一部では、月が数時間にわたって土星を隠す土星食が起きる(訳注:日本では25日朝、土星が月の陰に隠れる)。

6. みずがめ座δ(デルタ)南流星群

時期:7月30日(火)
場所:空全体

みずがめ座δ(デルタ)南流星群は7月30日(火)にピークを迎える。真夜中から明け方にかけて月のない空を見ていると、条件がよければ1時間当たり10個程度の「流れ星」が見られるかもしれない。毎年7月中旬から8月中旬にかけて活動するこの流星群の母彗星は、さまざまな流星群を生み出すマックホルツ彗星(96P)だ。米国南部の各州に住む人たちは最も見やすいだろう。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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