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2024.06.22 00:00

「一身上の都合」の正しい使い方と注意点:退職理由から履歴書の記載例まで詳しく解説

「一身上の都合」とは何か?

「一身上の都合」は、「いっしんじょうのつごう」と読み、その人自身の身の上や境遇などに関する個人的な問題や事情を意味します。具体的な理由を詳細に述べることなく、自分の都合であることを表すための便利な表現です。特に、退職理由としてよく使われます。

「一身上の都合」を使うシーン

この表現は、私的な事情を詳細に述べずに伝える際に便利です。例えば、結婚、出産、希望する仕事や企業への転職、病気、家族の介護など、具体的な理由を伏せたい場合に使われます。また、退職届や履歴書、面接で退職理由を伝える際にも使われます。

歴史的背景と現代の使い方

「一身上の都合」という表現は、江戸時代の「三行半(みくだりはん)」という離婚届に似ています。離婚理由を具体的に述べず、双方の名誉を守るために当たり障りのない文言が使われていました。現代でも同様に、具体的な理由を述べずに退職を告げる際に使われることで、円満退職を実現するための手段となっています。


「一身上の都合」の書き方と例文

「一身上の都合」を使う際の具体的な書き方について解説します。これを理解することで、適切にこの表現を使いこなすことができます。

退職願・退職届に記載する場合

退職願や退職届には、具体的な退職理由を詳細に書く必要はありません。「一身上の都合により退職」と記載することで、簡潔に自分の意思を伝えることができます。

例:

退職願:

「このたび、一身上の都合により、誠に勝手ながら令和○年○月○日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。」

退職届:

「このたび、一身上の都合により、誠に勝手ながら令和○年○月○日をもって退職いたします。」

履歴書・職務経歴書に記載する場合

転職活動で応募書類を作成する際、前職の退職理由は「一身上の都合により退職」と記載することで十分です。これにより、個人的な事情を伏せることができます。

例:

年月 学歴・職歴

2020年4月 ◯◯◯◯株式会社 入社

2022年8月 一身上の都合により退職

内定辞退する場合

内定を辞退する際にも「一身上の都合」を使用できます。この際、感謝の気持ちを伝え、相手に対する配慮を忘れずに記載します。

メールの例文:

件名:内定辞退のご連絡/氏名

本文:

〇〇〇株式会社 人事部 △△△様

お世話になっております。○○と申します。先日は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。

大変恐縮なのですが、一身上の都合により、内定を辞退いたします。

内定までに何度も面接のお時間を割いていただいたにもかかわらず、このようなご連絡となってしまい誠に申し訳ございません。また、本来であれば貴社へお伺いし、直接お詫びをするべきところではございますが、メールでのご連絡になりましたこと、重ねてお詫び申し上げます。

末筆ながら、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。

「一身上の都合」を使う際の注意点

「一身上の都合」を使う際には、いくつかの注意点があります。これらを理解しておくことで、適切にこの表現を使用できます。

「自己都合の退職」との違い

「一身上の都合」と「自己都合の退職」は、どちらも私的な理由で退職することを意味しますが、使う際のニュアンスや状況が異なります。「一身上の都合」は、具体的な理由を伏せたい場合に使うのに対し、「自己都合の退職」は、より広義で私的な理由を指します。

「家庭の都合」や「私事都合」との違い

「家庭の都合」や「私事都合」も同様に個人的な理由での退職を意味しますが、これらは具体的な理由を伝えたい場合に使います。例えば、「家族の介護のため」などの具体的な理由がある場合は、「家庭の都合」と表現する方が適切です。

「一身上の都合」が使えない場合

会社都合による退職の場合、「一身上の都合」は使えません。会社が倒産した場合や業績悪化による解雇、人員整理などは「会社都合の退職」として記載します。また、契約社員として働いている場合、契約期間の満了による退職は「契約期間満了により退職」と記載します。

退職理由を直接聞かれた場合の対処法

退職理由を「一身上の都合」として伝えた場合、さらに詳しい理由を聞かれることがあります。ここでは、具体的な対処法について解説します。

現職の会社に退職の申し出をする場合

上司に退職の申し出をする際には、「一身上の都合」では納得してもらえない可能性があります。その場合、具体的な理由を伝えずに「家庭の事情」や「体調の悪化」といった建前の理由を使うのも一つの方法です。円満退職を目指すためには、前向きな理由を伝えることが重要です。

転職の面接で退職理由を聞かれた場合

転職の面接では、前職の退職理由について詳しく聞かれることが多いです。「一身上の都合」だけではなく、相手が納得できる具体的な理由を伝えることで、早期離職の懸念を払拭できます。現職への不満が理由であった場合でも、前向きな転職理由を伝えることが大切です。

内定辞退の際に聞かれた場合

内定を辞退する際、企業には採用計画があるため、辞退の理由を詳しく聞かれることがあります。この場合も、「一身上の都合」だけでなく、相手に配慮した説明をすることで、トラブルを避けることができます。


まとめ

「一身上の都合」という表現は、退職理由を詳細に述べずに伝えるための便利な言葉です。特にビジネスシーンにおいて、円満に退職するために有効です。しかし、どの状況でも使えるわけではないため、適切な使い方を理解しておくことが重要です。正しい使い方をマスターし、適切に「一身上の都合」を使いこなしましょう。

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