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2024.06.13 10:30

【米国株ウォッチ】決算発表間近のアドビ、年初来の下落で株価は割安水準か

AaronP/Bauer-Griffin/GC Images

AaronP/Bauer-Griffin/GC Images

Adobe Photoshopなどを展開する米アドビ(ティッカーシンボル:ADBE)の株価は、年初来で約20%下落している。S&P500種株価指数は同期間に約14%上昇し、同業のオラクルは同期間に約35%上昇した(いずれも米国時間6月12日時点)。

アドビは米国時間6月13日に2024年度第2四半期決算を発表する予定だ。私たちは同社の売上高が市場予想を上回ると予想しており、利益に関しては、市場予想と同程度かそれを少し上回った水準になりそうだと予想する。

前四半期の決算では、アドビの売上高はコンセンサス予想を上回り、前年同期比11%増の51億8000万ドル(約8120億円)となった。これは主に、デジタルメディア部門の売上高が12%増、デジタルエクスペリエンス部門も10%増となったためである。また、デジタルメディア部門のARR(Annual Recurring Revenue、年次経常収益)は136億7000万ドル(約2兆1000億円)から157億6000万ドル(約2兆4000億円)に増加した。今回の第2四半期の業績も同じ傾向をたどるものと思われる。

株価パフォーマンス

ADBEはこの数年間でほとんど変動がなく、2021年1月初旬につけた500ドルの水準から現在の460ドル前後の水準までわずかに動いている程度だ。全体として、S&P500に対するADBEのパフォーマンスはかなり不安定である。2021年のリターンは13%、2022年はマイナス41%、2023年は77%であった。これに対し、S&P500のリターンは2021年に27%、2022年にマイナス19%、2023年に24%であり、ADBEのパフォーマンスは2021年と2022年にS&P500を下回っている。

売上高は市場予想を上回る可能性が高い

アドビの2023年度通期の売上高は、デジタルメディア部門が11%増、デジタルエクスペリエンス部門が同程度の増収となり、前年度比10%増の194億1000万ドル(約3兆円)だった。さらに、この勢いは2024年度第1四半期も続き、デジタルメディア部門とデジタルエクスペリエンス部門の両部門で成長を達成した。今回発表される2024年度第2四半期の売上高も同様に成長すると私たちは見立てており、市場予想を約1%ほど上回る、53億3000万ドル(約8358億円)程度になるだろうと考える。2024年度通期で見ると、売上高は214億9000万ドル(約3兆3000億円)に達すると私たちは予想する。

EPSは市場予想と同程度か

私たちは2024年度第2四半期におけるNon-GAAPベースの調整後EPS(1株あたり純利益)を4.42ドルと予想しており、これは市場予想の4.39ドルをわずかに上回る。

2023年度通期の純利益は前年同期比14%増加した。しかし、2024年第1四半期は、10億ドルのブレイクアップフィー(買収に関わる違約金)の支払いにより、前年同期比50%減の6億2000万ドル(約972億円)となった。これは一時的な要因であるため、第2四半期には純利益の改善が見込まれる。総じて、アドビのGAAPベースの年間EPSは、2024年度に12.37ドル程度になると私たちは予想する。

結論

私たちは2024年度のEPSを12.37ドル程度、PERを49倍強と見積もってADBEの目標株価を算出した。その結果、現在の株価水準より約32%高い、607ドルとなった。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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