サイエンス

2024.07.08 14:00

絶滅から50年後に「再発見」された大型のムササビと飛べない鳥

2. タカヘ(50年間絶滅とされた後、1948年に再発見)

タカヘの成鳥の色は雄雌とも青紫で、背中に緑がかった部分がある(BY PSEUDOPANAX AT ENGLISH WIKIPEDIA - OWN WORK, PUBLIC DOMAIN)

タカヘの成鳥の色は雄雌とも青紫で、背中に緑がかった部分がある(BY PSEUDOPANAX AT ENGLISH WIKIPEDIA - OWN WORK, PUBLIC DOMAIN)

タカヘ(Porphyrio hochstetteri)はニュージーランド原産の飛べない鳥で、クイナ科で最大の現存種だ。

タカヘは歴史的にマオリ族と欧州からの移住者の両方から強い狩猟圧を受けてきた。それは島に住む飛べない鳥にしばしば起きる状況だった(絶滅したドードーやロード・ハウ島のロードハウセイケイが典型例)。

1898年に最後の個体が捕獲された後、絶滅したとされていたが、1948年、ニュージーランド南島のマーチソン山脈に囲まれた人里離れた峡谷で、ニュージーランドの医者で冒険家のジオフリー・オーベルによって再発見された。

オーベルのタカヘに対する特別な関心は若い頃に始まり、タカヘについて徹底的に研究するようになった。テ・アナウ湖近くのマーチソン山脈に同鳥の名残がまだ存在するかもしれないと確信したオーベルは、1948年4月、レックス・ワトソン、ニール・マクロスティーの2人とともに探検に出かけた。そこでオーベルは、聞きなれない鳥の鳴き声に遭遇し、タカヘの存在を示唆する跡を見つけたことで、同鳥がの存在に対する確信を深めた。

同年、追加の支援を得て再び現地に戻ると、オーベルの粘り強さが実を結び、11月20日、ついにタカヘを再発見した。探索場所の近くの湖は、彼の功績を称えて後にオーベル湖と名づけられている。

今日、タカヘの管理と保存には、保護活動が重要な役割を担っている。2023年現在、ニュージーランド南島におけるタカヘの個体数は約500匹となっている。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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