経済

2024.04.27 09:00

米国の対イスラエル輸出急伸、2024年に入り軍事品目が962%増

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米国勢調査局のデータによると、米国の対イスラエル貿易が過去9年間で最速のペースで伸びている。最大の要因として、爆弾、榴弾、弾薬をはじめとする軍事品目の2024年1~2月の輸出が、前年同期比962.24%増加したことが挙げられる。

もっとも輸出額でみると、この2カ月間の合計は3億7018万ドル(約575億円)で、年間数十億ドルに上る米国の対イスラエル軍事支援のほんの一部にすぎない。米国務省によれば、外国政府に対する米軍事輸出は2023年、過去最高の2380億ドル(約37兆円)を記録した。

だが、その「ほんの一部」からわかることもある。想像にたがわず、急速に輸出が伸び始めたのは昨年10月以降だ。

2023年1~9月、すなわちイスラム組織ハマスによる10月7日のイスラエル越境攻撃で1200人が死亡し、100人以上が誘拐される以前の米国の対イスラエル軍事輸出額は、月平均2266万ドル(約35億円)だった。これに対し、10月以降の5カ月間(今年2月まで)の月額は1億6627万ドル(約260億円)に上り、7倍以上の急増となった。

今年1~2月の米国の軍事輸出のうち、実に55.15%をイスラエル向けが占めている。2003年まで遡っても、年率換算で米軍事輸出の50%以上を占めた国はない。もちろん、わずか2カ月間のデータでイスラエルがそうなると推測するのは早計ではある。

たとえばウクライナは、昨年1~2月は米軍事輸出相手国の9位につけていたが、今年は輸出額が78.38%減の258万ドル(約4億円)となりルクセンブルクに次ぐ22位に転落した。

しかし米議会は今週、ウクライナ、イスラエル、台湾への軍事支援とパレスチナ自治区ガザ地区への人道支援を盛り込んだ予算案を可決した。

2月の米国の対イスラエル軍事輸出額は2億1544万ドル(約335億円)で過去最高となり、輸出品目1位を長く維持しているダイヤモンドに迫っている。これは、軍事品目の輸出が増加した一方で、ダイヤモンドの輸出が減少したためである。米国の対イスラエル輸出総額は25.71%(5億5935万ドル、約870億円)増加した。

一方、イスラエルからの輸入は1.79%の微増で、輸出と同じくダイヤモンドが1位だ。だが、輸入でもダイヤモンド取引は減少しており、近年は特にインドとの競争が激しい。代わってコンピュータチップの輸入が増加している。

輸出と輸入を合わせた貿易全般では、1~2月の対イスラエル取引は11.12%増加した。

forbes.com 原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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