それによると、ドイツ人の成人のうち、インターネット利用者とSNS利用者との間には42ポイントの開きがあり、これは調査対象となった国の中で最も差が大きかった。ドイツは他の国よりインターネット利用者の年齢の中央値が高かったが、若いドイツ人のSNS利用率も比較的低いことがわかった。同国では40歳未満の成人の100%がインターネットを利用しているにもかかわらず、SNSを利用しているのは79%に過ぎなかった。ピュー・リサーチの分析によると、ドイツ人はSNSに対して否定的な見方をしているわけではなく、単に関心が薄いようだ。
IT業界を専門とする調査会社レコンアナリティクスのロジャー・エントナーは、ドイツ人はプライバシーに非常に敏感で、それを収益化するようなサービスの利用を警戒していると説明する。ドイツほどではないにせよ、SNSの利用率が低いのは、欧州の他の地域でも見られる傾向だ。その大きな要因は、信頼の問題ということだ。
市場調査会社ニアーメディアの共同設立者でSNSアナリストのグレッグ・スターリングは、欧州の中には、SNS企業が「懐疑的な目で見られ、軽蔑さえされている」国もあると指摘。欧州ではSNS企業はこれまでにプライバシー侵害で何度も罰金を科され、否定的な報道も多いと説明した。
SNS利用率の高い発展途上国
他方で、国によっては、インターネットとSNSの利用がほぼ密接に相関していることも明らかになった。今回の調査結果によると、インド人の56%がインターネットを利用し、47%がSNSを利用。インドネシア人では、これらの割合はそれぞれ78%と73%だった。アフリカに目を向けると、ケニア人の66%がインターネットを利用し、うち64%が少なくとも1つのSNSを利用していた。また、ナイジェリア人ではそれぞれ57%と55%という割合になり、これらの国々ではインターネットを利用するほぼすべての人がSNSを利用しているという結果になった。先述のスターリングは、途上国の中には、SNSがインターネットと同義語になっている国もあるという。
ピュー・リサーチは、なぜこれほど多くのケニア人やナイジェリア人がSNSを利用しているのかについては掘り下げていないが、複数の要因が考えられる。たとえば、これらの国々では主要都市の中心部以外では長い間固定電話回線がなかったが、スマートフォンの普及は着実に進んでいる。発展途上国の人々には「電話で話す」という文化がなく、代わりにSNSを通じて直接連絡を取っているのかもしれない。この傾向は、携帯電話が普及し始めた1990年代、実際にはSNSの普及より前から見られるようになった。国連によると、アフリカの携帯電話利用者数は2010年までに4億人を超え、北米の利用者数を上回った。
(forbes.com 原文)