ヒルトンホテルのバイスプレジデント(ウェルネス担当)、アマンダ・アル・マスリは、自社が実施した調査結果に基づき、2024年に最も求められる旅の目的は「休息を取り、再充電することになる」、より「ウェルネスを意識した旅をする人が増える」と予測している。
4. オーバーツーリズム
2023年には、人気の観光地の「オーバーツーリズム(観光公害)」が大きな話題となった。その被害を受けた都市の一部は、2024年から旅行者への課税などを開始する予定だ。例えば、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の専門家らが「存続が危ぶまれる」として危機遺産への指定を勧告したイタリアの世界遺産ベネチアは、日帰りの旅行者から5ユーロ(約790円)の入場料を徴収。オランダのアムステルダムは、宿泊料金にかける観光税の税率を7%から欧州で最も高い12.5%に引き上げる。
また、インドネシアのバリ島は2月14日から、旅行者から約10ドル(約1470円)の観光税を徴収する。税収は、環境と文化を保護するためのプログラムに充てられるという。
「責任ある観光」の推進を目指すThe World Was Here Firstを運営するマイケル・ローゼンブリットによると、オーバーツーリズムに悩まされてきた都市には今後も多くの人が訪れるとみられる一方、現状が「持続不可能」であることは広く知られるようになっており、旅行者の増加にも歯止めがかかり始めているという。
また、旅行者たちは訪れる土地の文化に関心を持つようになっており、滞在期間の長期化や、地元の料理や工芸の体験を希望する人の増加が予想されている。
(forbes.com 原文)