AIソフトウェアスタートアップのCapellaは、月額10ドルで利用できるアプリを披露した。このアプリは、人工知能(AI)を使って赤ちゃんの泣き声を95%の正確さで「翻訳」し、お腹が空いているのか、おむつ替えが必要なのを判別すると謳っている。
スイスのスタートアップFlappieは、ネズミの死骸を家に持ち込むのが大好きな猫の飼い主のために、AIを搭載したキャットドアを披露した。このドアは、猫が口にネズミなどの動物をくわえているのを検知すると開く仕かけになっており、525ドル(約7万6000円)で販売予定という。
AIにいびきを治してもらいたい人のために、中国企業のDeRucciは8300ドルのマットレスと1000ドルの枕を発表した。これらのデバイスに内蔵されたエアバッグは、寝る人の頭や体のポジションを適切な位置にして、いびきをかかないようにするという。
英国のスタートアップSeergrillsは、AIを使って「90秒で完璧なステーキが焼ける」と謳う3500ドルのグリルを披露した。しかし、CNETは、同社がこの製品のデモで使用した肉が「本物の肉ではなかった」と報じていた。
フォルクスワーゲンは、最も人気のある生成AIプロダクトの1つであるChatGPTを自社のデバイスに統合することを選択した企業の1つで、量産車の多くにOpenAIのChatGPTを採用した音声アシスタントの「IDA(アイーダ)」を搭載すると発表した。
今年のCESでは他にも、スマート歯ブラシや人々の気分を高めるというスマート鏡、視界に入った鳥や動物を識別できる4700ドルの双眼鏡など、AIの威力を謳う製品がお披露目された。
CESで発表された製品のうちの、いくつが一般発売に漕ぎ着け、いくつがサービスを継続できるかは不明だ。最新のトレンドを追い求める奇妙なガジェットは毎年のCESの定番だが、画期的なコンセプトのうち、広く利用可能な製品になるものはごくわずかで、長続きするものはさらに少ない。
一方、プライバシーや消費者の権利を擁護するグループは、BMWとアマゾンが自動車に統合しようとしている音声アシスタント「Alexa」を、今年のCESの「プライバシー面で最悪のデバイス」に位置づけた。
この統合は、音声アシスタントを使ってクルマを操作できるようにするものだが、電子フロンティア財団のシンディ・コーン事務局長は、このテクノロジーが「不気味な追跡」を可能にし、ドメスティック・アビュース(DA)の原因のきっかけになると述べた。彼は、虐待関係から逃れてきた人々が、「このテクノロジーを使ってパートナーに狙われる可能性がある」と主張した。
(forbes.com 原文)