「今振り返ると、もっと高くても買収していただろう」と彼は語る。データブリックスは11月15日、その買収の成果を示すものと言える新製品「データ・インテリジェンス・プラットフォーム」を発表した。
このプラットフォームは、モザイクMLが持つ生成AIの専門技術を、同社の主力製品であるデータ「レイクハウス」ソフトウェアに取り入れたものだ。世界で最もホットな企業向けテクノロジー企業の1つに成長した同社のデータレイクハウスソフトは、構造化されたデータ(銀行取引のスプレッドシートなど)と、非構造化データ(画像や生のテキストファイルなど)の両方を保存・分析することが可能だ。
「レイクハウスは、小さなプラットフォームのようなものだ。レイクハウスが土台で、データ・インテリジェンス・プラットフォームはその上に建つ超高層ビルだと言える」とゴディシは話す。
データ・インテリジェンス・プラットフォームによって、Pythonのようなプログラミング言語を使えなくても企業は、データを分析することが可能になった。また、ChatGPTの初期版のように、平易な言葉で質問をすればデータに関する洞察を得ることができる。この技術は、モザイクMLのLLMによって実現されたものだ。ユーザーは、データブリックスに保存したデータセットを用いて、これらのカスタムモデルをトレーニングすることができる。
ゴディシによると、ベータ版をテスト導入している企業のCEOや経営幹部が、これまで技術スタッフに質問していたような事柄を新製品に質問しているケースが多く見られるという。タフツ大学医学部では、医師たちがこのツールを使って患者データのレビューを行っている。
「従来はデータサイエンティストしかできなかったような業務を多くの人ができるようになった。当社やSnowflake(スノーフレーク)、グーグルのBigQuery(ビッグクエリー)など、あらゆるデータプラットフォームの未来がここにあると確信している」(ゴディシ)