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2023.11.27

生成AIで激変する顧客体験 今、企業に“つながり”が求められる理由

HubSpot 最高経営責任者(CEO)のヤミニ・ランガン「INBOUND 2023」の会場風景

HubSpotの年次イベント「INBOUND 2023」で最高経営責任者(CEO)のヤミニ・ランガンは、生成AIがビジネスにもたらす変革について語った。その真意に迫るとともに、HubSpot Japanマーケティングチームマネージャーの土井早春に、日本企業の生成AI活用について聞いた。

変化するカスタマージャーニー

「テクノロジーは変化している。それにともない顧客の購買行動も変化しているので、私たちが“どのようにつながるか”も変化する必要があります」

 HubSpot最高経営責任者(CEO)のヤミニ・ランガンは、9月7日に米ボストンで開催された「INBOUND 2023」でそう強調した。同年次イベント には約1万2,000人が来場し、オンラインで世界中から10万人以上が視聴した。

ランガンが冒頭、「テクノロジーの変化」と言及したのは、今年、世界中で話題になった生成AIのことだ。それがビジネス環境を大きく変えようとしている。

「これまでも”予測AI”を業務に活用してきた企業は多いと思いますが、生成AIはこれまでとは一線を画した創造的業務の変革をもたらそうとしています。生成AIにより、『インフォメーション(情報)の時代』から『インテリジェンス(知性)の時代』へと移行しているのです。インテリジェンスへのアクセスにより、私たちの生活や仕事、買い物の方法が変わるでしょう」

この「インテリジェンスへの移行」こそが、生成AIが引き起こしたいちばんの変化だというのだ。企業はそれをどう活用するべきなのか。ランガンは、顧客とのつながりを促進するべきだと提言する。

「つながりが重要なのは、それが成長の原動力になるからです。顧客と有意義にかかわればかかわるほど、企業は成長していきます。AIは顧客とのつながりを促進し、それをスケールアップさせることができるのです」

それを実現するために留意しなければならないのは、カスタマージャーニーそのものが変化していることだ。顧客が製品やサービスを発見する段階からそれは変わりつつあると、ランガンは指摘する。

「顧客は情報を求めるためにインターネット上のリンクにアクセスしていましたが、状況は変化しています。顧客は検索する前に、ソーシャルメディア上で企業や新商品を見つけています。つまり、ソーシャルメディアが主要な情報源になっているのです」

 製品を認知した後も、従来と異なる行動を取るようになっている。

「顧客が製品についてもっと知りたいと思ったとき、かつてはウェブサイトを探し、自分自身で情報を見ながら整理することに多くの時間を費やしていました。ところが生成AIの世界では、チャットで1対1の対話をして、必要な情報を手に入れるのです。素晴らしい会話になれば、顧客は購入の準備をするでしょう」

 顧客が会話を求めるのは、サービス提供者への期待が変化していることにも起因する。ひと昔までは、一人ひとりの顧客に向けたパーソナライズが重要だったが、いまやそれでは不十分なのだ。

「顧客の期待は、『パーソナライズされた情報』を得ることから、『オーダーメイドのインサイト』を獲得することへと変わっています。これまでのパーソナライズとは、メールで相手の名前を自動挿入するようなテンプレートにすぎませんでした。しかし顧客は、もうそれを望んでいません。その人に特化した、その人だけのインサイトを期待しているのです」

そして、より大事になるのは、顧客が購入した後の体験である。なぜなら企業にとって最大の課題は、買ってもらうことではなく、使い続けてもらうことだからだ。

「顧客は製品に問題があると、チャットし、電話をかけ、Eメールで問い合わせますが、満足な答えを得られないケースも多いのではないでしょうか。企業は、顧客の立場に立つ必要があります。顧客は『事後対応』ではなく、問題が起きないように先回りして情報を提供してくれる『事前対応』を求めているのです」
「INBOUND 2023」の会場風景

「INBOUND 2023」の会場風景

生成AIを活用する4つの方法 


ランガンは、このような顧客の変化に応えるための生成AIの活用としてまず始めるべき4つの方法を提案した。

1つ目は、ウェブサイトへのチャットボットの導入だ。
「顧客は対話をしたいので、チャットでは製品、価格、顧客が興味をもつケーススタディに関する質問にひと通り答えられるようにすべきです」

 HubSpotでは今年はじめ、生成AIを搭載したチャットボットを追加した。チャットの質問の78%はボットだけで対応しており、チャットの顧客満足度は高いという。

2つ目はコンテンツの更新だ。
「どのようなコンテンツを制作し、どのコミュニティでそれを発信するか。ブログであれ、ポッドキャストであれ、AIで最適化することで、顧客のニーズに合った質の高いコンテンツを提供できるでしょう」

3つ目は営業成績の予測だ。
「活動量を増やすのが昔の営業スタイルでしたが、多ければ多いほどいいという戦略は、もはや通用しません。AIと連携したツールを営業活動に活用して効率化することで、担当者は最も重要である顧客とのつながりに集中することができ、結果として業績アップにつながるのです」

最後は、事前対応型のカスタマーサービスだ。
「製品を使ってもらい、かかわってもらい、価値を実感してもらうためには、積極的な行動が必要です。顧客が問題にぶつかるのを待つのではなく、能動的で積極的なサポートを提供することが重要です」

同イベントでは、これらの提案も実装されたサービスが発表された。生成AIを搭載した新機能群「HubSpot AI」と「Sales Hub」のリニューアルだ。特に前者は、マーケティング、営業、カスタマーサービスチームを支援する「AIアシスタント」、ウェブチャットやEメールなどの顧客対応を自動化する「AI エージェント」、AI 売上予測など精度の高い分析を提供する「AI インサイト」、CRMなどのデータソースから情報を取得し、ChatGPTを通じて多様なタスクを実行する「ChatSpot」の4つの新機能を有する。

「インテリジェンスの力を活用するお手伝いをしたいのです」と意気込むランガンは、最後にこう締めくくった。「AIの進化は効率化にとどまらず、マーケティング、営業、カスタマーサービスを変革し、私たちが人間としてより良くつながるための深い変化をもたらすでしょう」

HubSpot プロダクト担当エグゼクティブ・バイスプレジデントのアンディ・ピトレ

HubSpot プロダクト担当エグゼクティブ・バイスプレジデントのアンディ・ピトレ

HubSpot 共同 創業者/最高技術責任者(CTO)のダーメッシュ・シャア

HubSpot 共同 創業者/最高技術責任者(CTO)のダーメッシュ・シャア


欧米型と日本型の融合が理想

米国では生成AIの活用が進む一方、日本では動きが鈍い。HubSpot Japanが実施した調査では、生成AIを業務に活用するビジネスパーソンは13%にとどまった。同社マーケティングチームマネージャーの土井早春がその理由を説明する。

「日本の企業は前例や、先行している企業がどう使っているかを気にされます。一方北米では、とりあえずやってみるという精神が非常に強い。国民性やリスクに対する考え方など原因はさまざまですが、日本では、どう使えばいいかを具体的にイメージできないことも大きいでしょう」

そんな日本企業に対し、ユースケースをイメージさせてくれるのが「HubSpot AI」だ。「自然言語での指示が可能なので、たとえエンジニアでなくても、15分ほど触っただけで『こうすればお客様の役に立つのではないか』といったアイデアが自然と出てくるはずです。自社の効率を向上させたり、業績を上 げたりするという目線だけで生成AIの活用を進めると、空回りしてしまいます。顧客の意識は毎年変わっているので、お客様が何を求めているかを起点にユースケースを考えていくことが重要です」一方で日本企業には、つながりを重視する点に強みがあるという。「最高顧客責任者(CCO)のロブ・ジリオ が言っていました。『日本ではおもてなしや相手に喜んでもらうことが強く意識されているので、HubSpotの言うつながりは、日本企業にとって新しいことではない。とはいえ、非効率な面に対しては改善を続ける必要がある』と。データを重視する欧米型と、人とのつながりを重視する日本型の融合が、これからの時代の理想の形なのではないでしょうか」

HubSpot Japan マーケティングチームマネージャー 土井早春

HubSpot Japan マーケティングチームマネージャー 土井早春




ヤミニ・ランガン◎HubSpot最高経営責任者(CEO)。SAPで戦略、プリセールスおよびバリューベースドセリング(VBS)の領域で指導的役割を果たした後、Workdayの戦略および経営担当バイスプレジデントに就任。その後、Dropboxの最高顧客責任者(CCO)として組織に顧客中心主義を浸透させる責務を担う。2021年より現職。

Promoted by HubSpot Japan / text by Fumihiko Ohashi / edited by Akio Takashiro

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