スターリンクの衛星は比較的小さなものだが、太陽光発電アレイを完全に伸ばした状態で約30メートルの大きさになる。同サイズの隕石の場合、2013年にロシア上空で爆発したもののように、地上の建物の窓ガラスが壊れて怪我人が出るような被害をもたらす場合がある。
幸いなことに軽量のスターリンク衛星は、隕石ほど高密度ではないため、そのような脅威とはならず、強烈な熱と摩擦によって、大気圏で燃え尽きる。ナンバー30167の衛星は、その消滅に至る過程で地上の人々に光のショーを見せ、その模様を収めた動画も公開されている。
炎上するスターリンク衛星は、上空で分裂する様子を複数の角度から捉えられた。その様子は、非常にドラマチックでゆっくりと動く流れ星のように見えるが、通常の流星はもっと速いスピードで移動し、数秒で燃え尽きてしまう。一方、大気圏に再突入する衛星は、光を発しながらゆっくり空を横切るのが特徴だ。
NASAの研究者のエディ・イリザリーは、宇宙関連メディアのEarthSkyに寄稿した解説で、衛星の場合は通常の隕石や流れ星とは異なり、再突入の際に細かく分裂する様子も見られると述べている。
10年前にロシアで目撃されたもののような大型の隕石の場合は、数十秒にわたって火球が空を横切り、ソニックブームのような大音響や、エアバーストと呼ばれる爆発を引き起こす場合もある。ただし、このような現象は、100年に1度か2度しか起こらないものだ。
一方、イーロン・マスクらが前例のない数の衛星を地球低軌道に送り込むなかで、人工衛星の大気圏への再突入は壮大な光のショーを我々に見せてくれる。
(forbes.com 原文)