サンタモニカを拠点とする同社は、アウトドアブランドのYetiやスノーボードのBurton、マタニティブランドのBlanqi、高級家庭用品ブランドのThe Citizenryなどを顧客に持ち、累計調達額は2510万ドルに達した。
アライブ社のソフトウェアは返品された商品に固有のシリアルナンバーを付与し、小売業者は個々の商品の状態や価格に関するデータを管理する。返品されたアイテムは、それぞれのブランドが再販する。
米国では、Eコマースの売上が伸びる一方で返品も増加している。全米小売業協会(National Retail Federation)の推計によると、オンライン販売の16.5%が返品されており、これは2022年のオンライン購入額1兆2900億ドルのうち、約2120億ドルに相当する。この数字には送料が含まれていないため、小売業者の損失はさらに大きいと専門家は述べている。
「小売業者は、再販の可能性を高めるために、返品されたアイテムを迅速にサプライチェーンに戻す必要があることを認識している」と、ガートナーのリサーチャーで、小売業界のサプライチェーンを専門に研究するトム・エンライトは述べている。
しかし、小売業者は、収益性の低い中古品の再販にあまり意味を見出せないことがある。そこでアライブ社の出番だ。同社が支援する再販は、平均して元の価格の60%で商品を販売できる。この数字は、小売業者にとっても、アライブ社にとってもすばらしい成功だ。同社の売上は今年の上半期に、前年比で430%上昇したという。
小売業者が返品された商品を再販しない場合、廃棄物が増えることにつながるため、アライブ社のプラットフォームは、環境に優しいテクノロジーとも言える。同社の共同創業者でCOOのロス・リッチモンドは「小売業者は、これらのアイテムを埋立地から店の棚に引き上げている」と語る。
新たな資金を調達したアライブ社は、チームを増強し、持続可能性と収益性を視野に入れつつテクノロジーと顧客基盤をさらに拡大する計画だ。同社のもう1人の共同創業者のレイチェル・スナイダーは「私たちの目標は、廃棄物を出さない世界を実現することだ」と語った。
(forbes.com 原文)