PR効果測定サービス『Qlipper』(クリッパー)を展開するトドオナダは、Twitterの代替候補と思われる短文投稿型SNSのメディア登場回数を調査した。その結果、7月にリリースされたばかりのMetaの新サービス「Threads」(スレッズ)の関連記事が群を抜いて多かった。2位は「Mastodon」(マストドン)、3位は「Bluesky」(ブルースカイ)、4位はMisskey(ミスキー)。ついにMetaが乗り出したということでThreadsのメディア注目度が桁違いに高いのはわかるが、2位以下は、巨大テック企業がSNSを牛耳るそれまでの中央集権体制に反発する人たちが立ち上げた分散型のSNS。営利目的ではない点がThreadsとは大きく異なる。これまで草の根的存在だった分散型SNSが、中央集権型の牙城を徐々に崩していく様子が見てとれる。
Mastdonは2016年にスタートした短文投稿フリーソフト。オープンソースで、特定の企業が運営するのではなく、ユーザーが自由に開設したサーバーを連携させて運用する分散型のSNSだ。巨大企業によるインターネットの支配を嫌う、インターネットはみんなのものだという昔ながらの自由思想の持ち主が「ほぞぼそ」と支援していたが、昨年末、Twitter騒動の影響によりユーザー数は38万人から250万人に急増した。
Blueskyは、Twitterの創設者ジャック・ドーシー氏の発案でスタートしたサービス。ドーシー氏は以前、Twitterを企業にしたことが「最大の後悔」と話している。投稿システムは特定の国や企業に所有されるべきではないと考える同氏の思想が、分散型のBlueskyにも色濃く反映されているものと思われる。現在はベータテスト中で招待者だけが参加できる形だが、現在のユーザー数は10万人とも言われている。
Misskeyは2014年にスタートした日本発の短文投稿型SNS。誰でもサーバー(インスタンス)を開設できる分散型。オープンプロジェクトでソースコードが公開されているので、誰でもソフトの改善に参加できる。こちらもTwitter買収の影響か、今年に入って利用者数が急増し、7月時点で20万人を超えた。
中央集権型か分散型かにかかわらず、一般ユーザーにとって重要なのは投稿を読んでくれる人の多さだろう。自由な分散型を選ぶ人は今後も増えるだろうが、個人情報を勝手に広告に利用されたり単一のポリシーに縛られるといった部分には目をつぶって、大企業が運営するユーザー数にの多い中央集権型を選ぶ人も多いはず。いずれにせよ、短文投稿に限らず、SNSの世界の一強支配の構図は次第に変化していく気配が感じられる。
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