iPadOS 17はFaceTime通話に相手が応答しない場合に伝言メッセージを残せるようになる
かたや、今回のアップデートにiPadの「神器」ともいえるApple Pencilに直接関わる新機能が少なかったことに筆者は不満を感じている。
iPad専用のスタイラスペンとしてもう十分に便利なアイテムだが、まだやれることはたくさんあるはずだ。筆者はApple Pencilのヘビーユーザーなので、例えば万一紛失した場合に備えて「探す」機能に対応してほしい。秋以降、iPadのハードウェアの進化にともなうApple Pencilの続く展開を待ち望みたい。
iPadが「ヘルスケア」の端末になる
iPadOS 17の最も重要なアップデートは「ヘルスケア」アプリに対応することだろう。従来からヘルスケアアプリはiPhone、Apple Watchによる記録とデータの閲覧管理に対応していた。iPadはアクティビティの記録を残すよりも、情報の閲覧管理の方に向いているデバイスだと思う。iPhoneとiCloud経由でつながり、ユーザーのヘルスケアデータを大きな画面でチェックできるようになる。
ヘルスケアアプリがiPadOSに最適化され登場
iPadの画面をSplit View機能により分割表示にして、健康データを見ながら他のアプリとマルチタスキングができるようにもなる。工夫次第でおもしろい使い方が見つかりそうだ。
Apple WatchはiPadに直接つなぐことはできないため、ウォッチの計測データはいったんiPhoneとiCloudを介してiPadで見るという使い方になる。iPadから入力したユーザーの健康データは、iCloudを介してiPhoneでも見られるようになりそうだ。
デベロッパは今後、アップルが提供するHealthKitのフレームワークを活用して、iPadにも対応する便利な健康管理系のアプリを開拓できる。
昨今iPadを導入する医療機関、介護施設も増えている。ヘルスケアに関連するプロフェッショナル向けのアプリやサービスへの期待も高まるだろう。ユーザーが自身のアップル端末で記録した健康データを、ヘルスケア共有の機能を活用しながら介護者と情報を共有しやすくなれば、テクノロジーの支援を受けながら健康に関わるリスクを未然に回避することにも役立てられる。iPadOS 17でヘルスケア機能が充実することは、後にiPadの進化を振り返った時に重要なマイルストーンとして記録されているかもしれない。
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