チャーリー・マンガー
「ブランドとは顧客との約束である」資産運用大手「バークシャー・ハサウェイ」副会長。弁護士時代に出会ったバフェットと意気投合し、熱心な勧誘により同社に加わった。2022年の次株主総会では、98歳という高齢ながら5時間以上にわたって株主の質疑に応じた。機知に富むマンガーの哲学をまとめた評伝『Poor Charlie's Almanack(プア・チャーリーズ・アルマナック)』は、世界中の投資家に愛されている。
WHAT THEY MEANT
バフェットの代名詞である「バリュー投資」の好例として挙げられる、米西海岸で人気のチョコレートキャンディ「シーズ・キャンディ」。カリフォルニアで暮らすマンガーは、シーズには値上げしても売れ続けるだけの「ブランド力」があると見抜き、バフェットに投資を促した。ブランド力の強さは、既存顧客の信用があり、潜在顧客に安心感を与える点にある。自社の競争優位性を守るのだ。フィル・フィッシャー
「先のことはわからないから調べよう」米投資家で、『株式投資で普通でない利益を得る』(邦訳:パンローリング刊)の著者。バフェットは、自身の投資手法を確立するに当たってフィッシャーの哲学を“15%”取り入れたと、明かしている。バフェットはフィッシャーから、徹底的に調査する「ゴシップ・アプローチ(周辺情報活用法)」を教わっているが、「思想と同じぐらい、人格にも感銘を受けた」とフォーブスに寄稿したことも。
WHAT THEY MEANT
バフェットをして、「私の85%はグレアム、残り15%はフィッシャーからできている」と言わしめたフィッシャー。バフェットは、「重要なのは未来の成長」というフィッシャーの成長株に対するアプローチを取り入れ、投資家として飛躍した。中でも、記者のように徹底的に投資先を調べる「周辺情報活用法」は、情報が錯綜とする現代では株式投資に限らず、活かせる思考であることにまちがいない。ピーター・ドラッカー
「すでに起こっている未来を探せ」現代経営学を確立した「マネジメントの父」。『マネジメント』(邦訳:ダイヤモンド刊)など著書多数。フォーブスは1997年3月、ドラッカーの“予言”を掲載。その中で、「すでに起こっている未来を探せ」という自身の名言どおり、日本の格差問題や人口減少、65歳定年制を危惧していた。そして、「日本の経営トップは経営しない」と指摘。日本企業の弱点が、経営にあることを見抜いていた。
WHAT THEY MEANT
成長株を見つけるヒントは、「マネジメントの父」にあり──。未来を予測するのは簡単ではないが、正しい方向性を見つけることは可能だと説いたのがドラッカーだ。彼は、未来は予測不能だと認めながらも、人口動態や産業構造、規制といった点から未来のシナリオを絞り込めると指摘している。例えば、未来の世界人口からエネルギーや食糧が重要な領域になることがわかる、といった具合だ。是川銀蔵
「新聞で得た情報から次にどういう現象が起こるかを考える」投資家、相場師。1931年に大阪株式取引所で投資を始め、是川経済研究所の前身となる昭和経済研究所を設立。「実践派エコノミスト」を自任し、日本経済新聞から得た情報をもとに、自らの投資理論を投資に活かした。80年代まで投資を続けた是川は、不動産投資をはじめ、日本セメントや住友金属鉱山などへの投資で富を築き、高額納税者番付で全国1位になったこともある。