ヘンリー王子自伝が初日に40万部、英出版界で空前の記録

Photo by Chris Jackson/Getty Images

先週スペインでフライング発売されたヘンリー王子の自伝「Spare(スペア)」は、1月10日の正式な発売日に英国で最も早く売れたノンフィクション本になったと、出版元が発表した。王子は、自身の人生と英国王室の内幕を暴露したこの本の宣伝のため、物議を醸すプロモーション活動を続けている。

ペンギンランダムハウスの英国部門のトランスワールド・ペンギンランダムハウスによると、「Spare」はプリント版と電子版、オーディオブックの合計で40万部が売れたという。トランスワールドのラリー・フィンレイ社長は、発売初日にこの本以上に売れたのは「もう一人のハリー」のものだけだと声明で述べ、「ハリー・ポッター」シリーズを示唆した。

英国最大の書店チェーンのウォーターストーンズは、「Spare」が過去10年間で最も多くの予約注文を集めた書籍になったと述べた。同社のノンフィクション部門の担当者は、10日の発売日に「前例のない数の顧客」が、店頭でオンライン注文した書籍を受け取ったとメディアの取材に話している。「Spare」は先週からアマゾンで最も人気の本になっている。

スペインでは5日にこの自伝のスペイン語版が誤って店頭に並び、正式発売日の数日前に最も衝撃的な内容の一部が報じられた。ヘンリー王子はこの本で、2019年の口論の際に兄のウィリアム皇太子から暴力を振るわれたと主張し、父のチャールズ国王とカミラ王妃との再婚に兄弟で反対したと述べている。さらに、自身が軍隊時代に派遣されたアフガニスタンで敵の戦闘員25人を殺害したと告白したほか、10代での性行為の初体験やコカインなどの違法薬物の使用についても触れている。

ヘンリー王子と妻のメーガン妃は2020年初めに英国を離れて以来、メディアへの露出に取り組んでいる。12月上旬に配信されたネットフリックスのドキュメンタリー「ハリー&メーガン」は、1週間で2800万世帯が視聴し、同プラットフォームのドキュメンタリー番組として過去最大の視聴者数を記録した。

王子は「Spare」の宣伝のために英米のメディアのインタビューに応じ、王室を売り物にしているとの批判を浴びているが、先週の米ABCの「グッドモーニングアメリカ」では、ハリー&メーガンに関する話を最初にリークしたのは彼の家族だと主張した。ヘンリー王子はまた、8日に放送されたCBSの報道番組「60ミニッツ」で、水面下での問題解決の試みが失敗し、「私と妻に関するリークや暴露記事」につながったため、自身がメディアのインタビューに応じることにしたと語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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