Z世代は熱心な読書家、スマホでさまざまなジャンルを読み漁る

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Z世代の大多数は本やメディアの多様性を高く評価


おそらく、Z世代に関して最も大きな違いは、彼らが読み物に何を求めるかということだ。Z世代の79%が、本や映画などのエンターテインメントを選ぶ際に、多様性やリプリゼンテーションを重要視すると回答している。これは、ミレニアル世代(66%)、X世代(53%)、ブーマー世代(34%)よりもかなり高い数値だ。Z世代の読者の60%が、社会から疎外されたグループに焦点を当てた本、物語、コミックを探していると回答しており、これは他の世代(40%)よりもはるかに高い数値だ。

昨年だけでも「#Diversity」のタグが付いたストーリーのWattpadでの読書時間は18%増加し、ユーザーは1日平均50万分をこのタグの付いたストーリーに費やしている。

Wattpadの調査はZ世代の最年長者だけを対象にしているが、文化的・世代的経験の同等なより若い読者にも同じような態度が見られると思われる。

ジェンダー・アイデンティティについて語ったり、人種差別や排除の歴史的遺産(あるいは現在の現実)を扱ったりする、若い読者向けの作品を検閲する取り組みについて次に耳にしたときは、この数字について考えてみよう。Wattpadや類似のプラットフォームの成功は、従来のトップダウンの出版や中央集権的な流通モデルを狙ったこうした取り組みがなぜ失敗するかを示している。

従来のチャネルで多様性を見つけられないならZ世代は他の場所でそれを求める


「Wattpadは、誰が自分のストーリーを語ることができるかを再定義しました」とジョンソンはいう。「作家は自分の声を見つけ、世界中の読者を獲得し、自分の作品でお金を稼ぐことができるのです。これは、Z世代がフィクションに対して、より幅広い声や視点の表現、アクセスのしやすさ、新しいフォーマットなど、より多くのことを要求しているからこそ可能なことなのです。フィクションの多様性を高めることは、世界の可能性を高めることなのです」

2020年に韓国のテック大手Naver(ネイバー)に買収され、そのモバイルコミックアプリWebtoon(ウェブトゥーン)と統合されたWattpadは、2022年7月に米国の成人1100人を対象にした調査をWakefield Research(ウェイクフィールド・リサーチ)に依頼した。調査サンプルには、さまざまな背景を持つ回答者が反映されている。Wattpadの広報担当者は、これは同社が顧客の嗜好や習慣を定量化するために行った作業であり、コンテンツのパフォーマンスを測定するだけで、ユーザーに関する情報をほとんど収集していないWattpad自身のデータのギャップを埋めるのに役立つと述べている。

forbes.com 原文

翻訳=上西 雄太

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