また、今大会ではW杯で得点を入れた初の21世紀生まれの選手も誕生している。1次リーグのイングランド対イラン戦(グループB)で19歳のイングランド代表、ジュード・ベリンガムがゴールを決めた。
そのほか今大会では初めて、実の兄弟が異なる国の代表として同時に出場している。イニャキ・ウィリアムズはガーナ代表として、弟のニコ・ウィリアムズはスペイン代表として、W杯デビューを果たした。ガーナ人の父とリベリア人の母を持つウィリアムズ兄弟は、どちらもスペイン生まれ。イニャキは以前、スペイン代表だった。
一方、この大会では初めて、一つの試合を女性審判員3人が担当した。1日に行われたグループEのコスタリカ対ドイツ戦で、フランス出身のステファニー・フラパールが主審、ブラジルのネウザ・バッキとメキシコのカレン・ディアスが副審を務めている。
今大会では、男女両方の代表チームを率いた経験を持つ監督も誕生した。カナダ代表チームを率いたジョン・ハードマン監督は、2007年と2011年の女子ワールドカップで、ニュージーランド代表の監督を務めていた。
そして、11月20日に行われた開幕戦(カタール対エクアドル)でホスト国が敗北を喫したのも、大会史上初のことだった。
試合以外の「初」も複数
カタール大会は、中東で初めて開催され、大会史上最も高額の費用をかけて行われているW杯だ。カタールはここ10年ほどの間に7つのスタジアムを建設するなど、準備におよそ2200億ドル(約30兆円)を費やしたと推計されている。
今大会は開催地の気候を考慮し、初めて通常の夏ではなく冬に開かれたW杯でもある。そのため、シーズン中の各国のクラブチームの戦いにも、影響を及ぼしている。
カタールが人権問題で非難されてきたことや、今回のW杯関連の建設プロジェクトで多数の外国人労働者が作業中に死亡していることなどから、同国での開催を決めた国際サッカー連盟(FIFA)に対しては、批判の声もある。さらに、FIFA関係者とカタールには、開催決定を巡る贈収賄や汚職の疑惑もある。
(forbes.com 原文)