テクノロジー

2022.11.15 12:00

グーグルが位置情報収集で550億円の和解金、「狡猾」との批判も

994

Jay Fog / Shutterstock.com

グーグルは、不適切な位置情報の収集に関する問題で、オレゴンなどの40州に合計3億9150万ドル(約550億円)の和解金を支払うことで合意した。同社は、アカウント設定で位置情報の追跡をオフにしたと利用者に誤認させ、データの収集を継続していたとされる。

オレゴン州のエレン・ローゼンブラム司法長官は11月14日、他の39の司法長官とともに、過去最大の消費者プライバシー訴訟の和解に漕ぎ着けたと発表した。彼らは、グーグルに和解金の支払いを求めると同時に、業務慣行の透明性を高めることを要求した。

グーグルは今後、ユーザーが位置情報関連の設定を「オン」または「オフ」にするたびに、追加の情報を明確に表示し、同社が収集するデータとその利用方法についての詳細を開示することを求められる。

「グーグルは、ユーザーのプライバシーよりも利益を優先し、“狡猾で欺瞞的”だった」と、ローゼンブラム司法長官は14日の声明で述べた。

AP通信は2018年の記事で、グーグルが「位置情報の追跡」をオフにした顧客の動きを記録していると報じ、これを受けてローゼンブラム司法長官は調査に乗り出した。その記事で、グーグルは、位置情報履歴の設定をデフォルトでオフにしているものの、別の項目の「ウェブとアプリのアクティビティの追跡」を、アカウントの設定の際に自動的にオンに切り替えていたとされた。

司法長官は、グーグルが位置情報の追跡について消費者に誤解を与え、少なくとも2014年以降、州の消費者保護法に違反していたと指摘した。

グーグルの広報担当者のホセ・カスタニェダは、フォーブスに宛てた声明で、「今回の和解は当社が近年行ってきた改善と一致する」と述べたが、司法長官らの調査は「数年前に変更済みの古い製品ポリシーに基づくものだ」と付け加えた。また、グーグルは14日の公式ブログで、「今回の和解はより有用なサービスを提供しながら、データ収集を最小限に抑えるためのステップになる」と説明した。

一方、州の当局者らは、より広範な消費者プライバシー法の制定を求めている。「包括的なプライバシー法が導入されない限り、企業は今後もマーケティング目的の大量の個人データを、無秩序に収集し続ける」と、ローゼンブラム司法長官は述べた。カリフォルニア州やコロラド州、バージニア州などは、州独自のプライバシー規則を導入している。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

ForbesBrandVoice

人気記事