米主要空港のウェブサイトが一時ダウン、親ロシア派がサイバー攻撃か

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複数の米報道機関によると、親ロシア派のハッキンググループが米国時間10月10日朝、米国の十数の空港のウェブサイトを攻撃し、サイトの一部が一時的にアクセス不能になった。ただ、ハッキングによる空港の運営への支障はなかった。

米CNNによると、攻撃を行ったのはロシア大統領府の見解を広め、過去に西側諸国を標的としたサイバー攻撃を行ったことのあるハッキンググループ「Killnet(キルネット)」で、このグループとロシア政府との関係は不明という。

今回の攻撃により、空港の待ち時間や混雑状況に関する情報を掲載したウェブサイトにアクセスしようとした市民に「不便」が生じたと当局幹部は米ABCニュースに語った。

複数の報道機関によると、サイバー攻撃の標的となった空港にはハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港やニューヨークのラガーディア空港が含まれ、シカゴのオヘア国際空港とロサンゼルス国際空港のウェブサイトも影響を受けた模様。

CNNによると、米国のサイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁は10日、状況を監視しているが、空港の運営に懸念はないと明らかにした。

KillnetはSNSテレグラムへの投稿で、アイダホ、ミシガン、ハワイ、マサチューセッツなどの空港を攻撃したとも主張している。また、先週コロラド、ケンタッキー、ミシシッピなどの州政府のウェブサイトもハッキングしたという。

Killnetは今年2月のロシアのウクライナ侵攻をきっかけにハッキング活動を開始し、ロシアに制裁を科した西側諸国を標的にしていると主張している。

ブルームバーグによると、Killnetは主にDDoSと呼ばれる分散型サービス拒否攻撃を行っており、サイトやサーバーに偽のウェブトラフィックをてオフラインにする。また、同グループは欧州で行われる恒例の音楽イベント「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」を標的にするなど、欧州全域で攻撃を行っている。

政治専門の米ニュースメディアPoliticoによると、このハクティビスト集団は攻撃対象のウェブサイトを親ロシア派のメッセージで改ざんすることでも知られている。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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